パディントン駅

こんにちは、ロンドンナビです。
きょうは、ロンドンに乗り入れる鉄道の西の玄関、パディントン駅についてご紹介しましょう。「パディントン」と聞いて、「あれ？ クマのキャラクターの名前では？」と思い出した方も多いでしょう。「くまのパディントン」の名は、この駅のプラットホームで近所に住むブラウンさん家族に拾われたことが由来となっています。ロンドンの空の玄関、ヒースロー空港とを結ぶ特急列車も発着するこの駅、多くの日本人旅行客の姿も見かけます。

駅の完成はなんと1854年

パディントン駅は、ロンドンとイングランド西部・ウェールズをつなぐ鉄道の玄関口として1854年に完成しました。日本に鉄道が初めて敷かれた時期よりも古いんです。設計に携わったのは、テムズ川に歴史上初のトンネルを掘るなどの功績を持つ、19世紀を代表する建築家イザムバード・キングダム・ブルネル。3連の半円形ガラス屋根になっている構造は、今でも当時の面影をそのまま残しています。

ウェールズやイングランド西部への起点

パディントンは、ロンドンから見て西にある都市への鉄道の起点です。そのため、鉄道会社の名前も、グレート・ウエスタン・レールウェイ（Great Western Railway）といいます。GWRはパディントン駅よりさらに古く、1838年から列車を走らせています。GWRのマークは、駅に隣接するホテル、ヒルトン・ロンドン・パディントンの玄関に誇らしげに掲げられています。

パディントンからは、ウェールズの首都・カーディフ（Cardiff）をはじめ、イングランド西部の世界遺産になっているバース（Bath）、大学都市オックスフォード（Oxford）などへの直行列車が出ています。2010年代後半には、これらの都市を結ぶ特急列車は日立製作所の英国工場で造られる車両に置き換わることが決まっています。

ヒースロー空港とを結ぶ特急が発着

パディントン駅はヒースロー空港からの直通特急列車「ヒースロー・エクスプレス（Heathrow Express）」の発着駅になっています。ヒースロー空港には3つの駅があり、ヒースロー・エクスプレスは、「ヒースロー・ターミナル5」駅を出たのち「ヒースロー・ターミナル123」駅に停車。そこから15分でパディントン駅に到着します。エールフランスなどスカイチーム各社の便が発着するターミナル4からはシャトル列車で「ターミナル123」駅に行き、そこで乗り換えて市内へと向かうことになります。
ちなみに、「ヒースロー・ターミナル123」駅とパディントン駅の間には、「ヒースロー・コネクト（Heathrow Connect）という各駅停車が1時間2本程度走っています。

地下鉄への乗り継ぎは…

パディントン駅にはロンドン地下鉄の4路線が通っています。ところが駅の場所が大きく離れている上、市内中心部を「の」の字に回っているサークル線のパディントン駅は鉄道駅の南北に2カ所ありますから、注意が必要です。

ベーカールー線、ディストリクト線とサークル線のヴィクトリア駅方面行きは、鉄道駅の「線路が行き止まりになっている側」の階段を降りたところにある入口から入ってください。一方、ハマースミス＆シティー線とサークル線の北側部分を利用する場合は、鉄道駅のホームを「線路が出て行く方向」へ向かってください。
いずれにしても、案内表示がしっかり出ていますから、それに従って歩きましょう。

「くまのパディントン」のグッズを買うなら…

パディントンの駅の名を有名にしているキャラクター「くまのパディントン」。グッズショップも合わせてチェックしておきましょう。グッズは長年にわたり、出発コンコースの「屋台」で売られていたのですが、2013年についに専門ショップがお目見え。童話の本やぬいぐるみはもとより、文房具やバッグなどさまざまなものを扱っています。

ちなみにグッズショップに向かうエスカレーターのたもとに、パディントンの銅像があります。ブラウン夫妻に最初に見つけられた時の格好そのまま。帽子だけかぶり「どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。おたのみします。」と書かれた札を首から下げ、スーツケースにポツンと座っています。

パディントン駅でプラットホームに降り立ち、日本の駅とは全く違う雰囲気に圧倒されて、思わず声をあげてしまう人もいることでしょう。ここからロンドンの旅を始める方（そうでない方も…）、安全で楽しい滞在になることお祈りします。
以上、ロンドンナビでした。