世界遺産の街「バース」に行ってきました!

英語の「お風呂(バス)」の語源となったといわれる街。いまでも温泉が湧いています。

遺跡の門に掲げられた、世界遺産の認定証

遺跡の門に掲げられた、世界遺産の認定証

こんにちは、ロンドンナビです。今日は世界遺産にもなっている、バースへ行って来ました。バース、英語で書くとBath は、そのまま町の名前が「お風呂」という単語の由来になった街。ひょっとして温泉?日本人としては見逃せないところですね。そしてこのバースは「エレガント・シティ」とも呼ばれているとか・・・期待が高まります。
ロンドンからバースへは特急で1時間ちょっと

ロンドンからバースへは特急で1時間ちょっと

ロンドンからバースまでは西へ150km。列車ならパディントン駅から特急で1時間30分、列車はだいたい30分ごとに発車しています。バスならビクトリア・コーチステーションから3時間15分です。

バースはロンドンに次いで訪問者の多い英国の観光地。1989年には世界遺産に登録されています。ナビが訪れた日もとてもたくさんの観光客が街を訪れていました。

パルトニー橋

パルトニー橋

パルトニー橋

街歩きを始めてすぐ目にした風景がこのパルトニー橋(Pulteney Bridge)。すぐに街を目指そうと歩き始めましたが、この川の流れを見たとたん、足が止まってしまいました。
不思議な模様を描く川底

不思議な模様を描く川底

川床に階段が作られていて、そこを川の水が流れると写真のような模様が出来るのです。水音を伝えられないのがとても残念です。さらさらより力強く、ざあーざあーより優しい音でした。

ちなみに橋の中は商店街になってます。フィレンツェのベッキオ橋と似た作りですね。
さらに歩いていくと・・・・
バースアビー(Bath Abbey)

バースアビー(Bath Abbey)

広場に立つオブジェ

広場に立つオブジェ

パンプ・ルームの建物内部

パンプ・ルームの建物内部

ローマン・バス博物館

ローマン・バス博物館(Roman Baths)のある広場はやはりバース観光の中心と言えるでしょう。そもそも、この地に温泉が湧いていたという記録は紀元前5千年くらいまでさかのぼることができるといわれています。当時この街で暮らしていたケルト人は、それを女神スリスの住処だとして神殿を建て、祀っていたのだそう。そこへやってきたのが温泉好きのローマ人、英国がローマ帝国の支配下にあった2世紀頃、ローマ人が作った大浴場の遺跡がここなのです。
遺跡の内部

遺跡の内部

遺跡の入口

遺跡の入口

現在英国で温泉が湧き出ている場所は3か所あります。それがすべてここバースの街。なぜこの地にだけ?というのはよく分からない謎なのだそうですが、源泉のひとつ、キングス・バスからは今でも46度のお湯が1日に100万リットル以上湧き出ています。残念ながら鉱泉湯のため鉄分が多すぎて入浴には向かないそうですが・・・なんとももったいない気がするのは、ひょっとしたらローマ人よりもお風呂好きな、温泉大好きな日本人だからでしょうか?ちなみに遺跡のお湯が緑色なのは藻が繁殖しているためだそうです。

ローマ人が去って行ってしまうと、バースの街も一気にさびれてしまいます。この街が再び世間から注目を浴びるのは18世紀になってから。ジョージ王朝時代に上流階級の温泉保養地として見事に復活するまで待たなければなりません。

パンプ・ルームのレストラン

パンプ・ルームのレストラン

パンプ・ルームのレストラン

浴場入口にあるパンプ・ルーム(Pump Room)は保養地だった時の社交場。うれしいことに今は誰でもが利用できるレストランになっています。今日は優雅にこちらで昼食をいただくことにしました。

レストランの一角、キングス・スプリングでは温泉水を飲むことができました(有料)。味は、はっきり言ってまずいです。「体に良いのかな?」って思うことにしましょう。18世紀の貴族たちの間でも病気治療のためにここの鉱泉を飲むことが流行ったそうですよ。
さました温泉水でレモネードも作ってくれる

さました温泉水でレモネードも作ってくれる

お昼に食べたサンドイッチ

お昼に食べたサンドイッチ

テラス・ハウス

今でもロンドンの街なかで2〜3階建ての家が横に長く繋がった形式の住宅をよく見ますが、こういったテラス・ハウス(Terrace House)は18世紀の初め頃英国に普及しました。ロウ・ハウスまたはアタッチド・ハウスとも呼ばれます。普通は道路に沿って直線に並んでいることが多いのですが、広場や公園を囲むように建てられた場合はその形によって四角形(スクエア)だったり、三日月形(クレセント)になったり、円形(サーカス)になったりするのです。このサーカスは建築家ジョン・ウッド父子の父のほうの作品。1764年ローマのコロセウムにヒントを得て造られたそうです。
ザ・サークル

ザ・サークル

ロイヤル・クレッセントの一部は見学もできる

ロイヤル・クレッセントの一部は見学もできる

ロイヤル・クレッセント

ロイヤル・クレッセント

そしてこの先にあるロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)は、息子ジョン・ウッドが1775年に設計しました。圧巻です!こんな美しい集合住宅は世界中でも珍しいでしょう。その昔、ここに住んでいた人たちは貴族階級、建物の下に広がる緑の芝生を優雅に散歩していたのでしょうね。繋がった30軒の大邸宅はやはりローマ様式のレリーフや柱で装飾されなんとも優雅。これらが英国でジョージアン・スタイルといわれる建物たちでバースが「エレガント・シティ」と呼ばれている由縁になっています。それにしてもなんとも見事な都市景観。ずっとこの場所でこの景色を眺めていたくなります。


さてさて、このバースで今私たちが温泉の恩恵にあずかることは本当に出来ないのでしょうか?その念願を叶えてくれるのが温泉総合スパ施設「サーメ・バース・スパ」。こちらは2006年8月のオープンしたこの街の人気スポットです。ただ悔しいことに、この日も建物の前に大行列。「今日中の入場は無理」と言われ、涙を飲みました。次回は日帰りではなく泊まりがけでまた来なくちゃ!と強い決意でロンドンへの帰途についたロンドンナビでした。
関連タグ:世界遺産

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-04-30

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