旧型2階建てバス15系統で「ロンドン塔」へ!

旧型バス「ルートマスター」で、ロンドンのおへそ「トラファルガー広場」から、世界遺産の「ロンドン塔」へと行ってみました。

これが旧型2階建てバス「ルートマスター」

これが旧型2階建てバス「ルートマスター」

こんにちは!ロンドンナビです。ロンドン名物といえば赤い2階建てバス。ロンドンに行ったら1度は乗ってみたいですよね。今日、ナビは15系統の『ルートマスター』に乗ってロンドンの観光をしてみようと思います。

■ルートマスターとは

横から見るとこんな感じ

横から見るとこんな感じ

後ろから見るとドアがないのがわかります

後ろから見るとドアがないのがわかります

みなさんは『ルートマスター』というバスをご存知ですか? 1950年代から約50年間、ロンドンのバスはこの形が主流でした。 車体の一番後ろに乗降口と2階への階段もあるのですが、ドアがついていません。なので、乗客は交差点や渋滞でバスが停止するとバス停以外の場所でも自由に乗り降りすることができました。また、バスには車掌さんが乗っていて車内で切符を売ってくれました。ただ、人件費の問題でワンマン化を進めたかったロンドン交通局などは2005年に全部のバス路線からルートマスターを廃止、現在使われているタイプのものに切り替わりました。ただ、「ルートマスターはロンドンの名物だ」と惜しむ声が多く、観光客の利用が多い、市内中心部を走る2路線(15系統と9系統)の一部でこのルートマスターを復活させることとなりました。

■出発はトラファルガー広場から

出発はトラファルガー広場から<br>バス停はチャリングクロス駅寄りにあります

出発はトラファルガー広場から
バス停はチャリングクロス駅寄りにあります

15系統は、オックスフォード・サーカスからシティの南側を抜け、東郊外のブラックウォール(Blackwall)までの路線なのですが、 ルートマスターはトラファルガー広場からロンドン塔までの区間を走っています。まずは出発地点、トラファルガー広場のチャリング・クロス駅寄りにあるバス停に行ってみましょう。バスはストランド(通り)を東に向かって走ります。
国鉄チャリングクロス駅

国鉄チャリングクロス駅

いよいよロンドン塔に向けて出発

いよいよロンドン塔に向けて出発

『ラブ・ネバー・ダイズ』を上演中のアデルフィー・シアター

『ラブ・ネバー・ダイズ』を上演中のアデルフィー・シアター

まず、左手には、『オペラ座の怪人2=ラブ・ネバー・ダイズ』を上演中のアデルフィー・シアターがあります。この裏手にウエストエンドの劇場街が広がっています。右側には老舗ホテル・サボイがあります。ここは長期間にわたる大修復が行われていましたが、2010年10月にようやくリニューアルオープンしました。
次に右側に見えるのはコートールド協会美術館がある「サマセット・ハウス」。ここには「耳に包帯をしたゴッホの自画像」がありますよ。また正面には、セント・メアリー・ル・ストランド教会が道路の真ん中に建っているのが見えます。この付近はオルドウィッチ(Aldwich)と呼ばれるエリアですが、東に向かう道路が半円形を描いていたり、道路の真ん中には教会以外にもいろいろな建物があったりするので、バスは右へ左へと複雑にカーブしながら走ります。
通りの真ん中にはセント・メアリー・ル・ストランド教会が

通りの真ん中にはセント・メアリー・ル・ストランド教会が

美術館がある「サマセット・ハウス」

美術館がある「サマセット・ハウス」

豪華な建物は王立裁判所

豪華な建物は王立裁判所

やがて、左前方にはいかにも立派な建物が見えてきます。ここは英国の最高裁にあたる「王立裁判所(Royal Court of Justice)」です。この向かいには、日本でよく知られている紅茶の「トワイニング」本店があります。あまりの小ささに思わず見落としそうになります。

■バスは金融街・シティへ

裁判所をすぎるとやがて、道路の真ん中に「ドラゴンの像」が見えてきます。ここからが、金融街「シティ」のエリアになっています。道路の名前もストランドから「フリート・ストリート」と変わります。かつては新聞各社が軒を並べていて、この名前は英国の報道、出版の代名詞だったのですが、20年ほど前から各社はロンドンの周辺部へと居を移しています。ただ、ここでさらに前方を目を凝らして見てみましょう。すると一瞬だけガーギン(Swiss Reビル)の頭も見えますよ。
同じルートを普通の15系統のバスも走ります

同じルートを普通の15系統のバスも走ります

遠くに「ガーギン」が見えているのですが……

遠くに「ガーギン」が見えているのですが……

■バスの正面には大聖堂が!

大聖堂のドームが見えて来ました

大聖堂のドームが見えて来ました

そして、前方には「セント・ポール大聖堂」が見えてきました。セント・ポール大聖堂はチャールズ皇太子と故ダイアナ妃が結婚式を挙げた英国国教会の大聖堂です。正面の階段にはいつでも大勢の観光客が座っています。観光バスもたくさん止まっています。この大聖堂を背中にしてテムズ川に架かる「ミレニアムブリッジ」を渡ると、現代美術のギャラリー「テート・モダン」です。バスの中からも、ミレニアムブリッジとテート・モダンの煙突を見ることができます。
大聖堂前の噴水広場

大聖堂前の噴水広場

バスから眺めたミレニアムブリッジとテート・モダン

バスから眺めたミレニアムブリッジとテート・モダン

■シティの夕方はよく渋滞に

シティではときどき渋滞で立ち往生

シティではときどき渋滞で立ち往生

大聖堂を過ぎると、通りの名前は「キャノン・ストリート」と変わります。この辺りは夕方になると、仕事を終えた銀行マンが帰路に付くため、よく渋滞になります。右手にロンドンブリッジが伸びるモニュメント駅のある交差点を過ぎると、右手に「大火記念塔(Monument)」があります。1666年に起きたロンドン大火では、この記念碑の高さ分(62メートル)離れたところにあったパン屋さんが出火場所となり、4日間も燃え続けたといいます。そのとき、セント・ポール大聖堂も燃えてしまいました。
大火記念塔がバスから見えるのはほんの一瞬!

大火記念塔がバスから見えるのはほんの一瞬!

通りの先はロンドンブリッジにつながっています

通りの先はロンドンブリッジにつながっています

■いよいよロンドン塔へ

対岸にはロンドン市庁舎が見えます

対岸にはロンドン市庁舎が見えます

「グレート・タワー・ストリート」に入ると、終点のロンドン塔まであとわずか。テムズ川の向こう側に見える、巨大な「マウス」のような形をしたビルは「ロンドン市庁舎(City Hall)。そして右側にはロンドン塔前の広場が見えてきます。また、右手のちょっと遠くにはテムズ川にかかる「タワー・ブリッジ」のお城のように美しい塔が見えます。
バスは終点、バス停「タワー・オブ・ロンドン」に到着です。このエリア一帯は世界遺産に認定されています。ロンドン塔自体も歴史あるものですが、それより古いのが、バス停のすぐ横にある城壁でローマ時代のものです。
ロンドン塔が見えると終点は目の前です

ロンドン塔が見えると終点は目の前です

バス停横の城壁はローマ時代のもの

バス停横の城壁はローマ時代のもの

■バスを降りたら……

ここが終点、お疲れさまでした!

ここが終点、お疲れさまでした!

このあとは、ロンドン塔に入るもよし、タワー・ブリッジを渡ってテムズの眺めを楽しむもよし。ロンドン東部でひとときを過ごしてみてはいかがですか? タワー・ブリッジの南岸にはおしゃれなレストランやカフェが並ぶ、ヘイズ・ギャラリアやバトラーズ・ワーフがあります。路線バスで楽しむロンドンの街。興味ある場所を見つけたら気軽に降りられるのもメリットのひとつかもしれません。以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-12-28

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