本物の「きかんしゃトーマス」に会って来ました!

煙を吐いて「きかんしゃトーマス」が走る保存鉄道に行って来ました!

これが「きかんしゃトーマス」

これが「きかんしゃトーマス」

こんにちは、ロンドンナビです。
皆さんは「きかんしゃトーマス」をご存知ですか?
蒸気機関車(SL)に丸い顔がついた英国生まれのキャラクター、日本でも絵本やテレビ番組になっています。機関車のトーマスとその仲間たちが「ソドー島」という架空の島で、いろいろな事件を起こしたり、冒険をしたりするお話し。英国では1945年に絵本が刊行されて以来60年以上も愛され続けています。
今日ナビは「トーマスとその仲間たち」が実際に走っている保存鉄道「ウォータークレス線」へと出かけてみました。

保存鉄道の始発駅に向かいます!

ウォータールー駅からアルトンに到着!

ウォータールー駅からアルトンに到着!

ウォータークレス線は、アルトン(Alton)という駅から延びる約13キロの鉄道です。アルトンへは、ロンドン・ウォータールー駅から直通の急行列車に乗って約2時間で行けます。トーマスたちが走る期間は1年で春と夏のそれぞれ約10日間だけ。ロンドンからさぞかし多くの人が向かうのかなと思ったら、意外なほど電車はガラガラ。お客さんがあまりいなかったら寂しいなあと不安が募ります。

いきなり「なかまたち」に対面!

この「なかま」に引かれて出発です!

この「なかま」に引かれて出発です!

もうすぐアルトン駅に到着、という時です。いましたよ!!顔のついた機関車が!
まだ、電車が完全に停まっていないというのに、窓から一瞬その姿が見えただけで、なんともうれしい気持ちになってしまったナビです。1秒でも早く目の前に行きたいです!
アルトン駅では、ナショナル・レールの駅から跨線橋を渡って、ウォータークレス線のホームへと走ります。保存鉄道のホームに立つと、数十年前の鉄道にタイプスリップしたかのよう。ボール紙でできた硬い切符を買って、いよいよ旅の始まりです。
ホームに、電車から見たSLが入って来た時はとてもワクワクして、テンションが上がってしまいました。
もちろん、さっそくホームで並んで記念撮影です。もう少したったら、このSLに引かれて出発します!

そもそもトーマスとは――

売店はトーマスグッズで溢れています!

売店はトーマスグッズで溢れています!

トーマスの原作は「The Railway Series」というウィルバート・オードリーという牧師さんが書いたお話にレジナルド・ダルビーが絵をつけて出版された「汽車のえほん」というシリーズ。トーマスが登場するのは1946年「機関車トーマス」というお話からです。シリーズの出版は1972年の26巻まで続きます。
映像になったのは1984年で「きかんしゃトーマスとなかまたち」というテレビ番組になりました。
乗車証明書や切符です

乗車証明書や切符です

日本でも1973年に「汽車のえほん」シリーズがポプラ社から出版され、1990年には「ひらけ!ポンキッキ!」でテレビ放送されました。2012年4月からは、NHK Eテレで日曜日の朝に放送されています。
今でも絵本は子どもたちに大人気、すぐにボロボロになってしまうので、日本のある地域図書館ではトーマスの絵本シリーズは消耗品として毎年買い替えているとのこと。

SLは本物です!煙を吐いて走ります

鉄道発祥の英国では今でも保存鉄道として、たくさんのSLが走っています。多くは、その鉄道を愛する人々がボランティアで保存や運行を行っています。日本でも観光用のSLがあちこちで走っていますが、新しい客車をつないで走っていることも多くて今ひとつ気分が盛り上がらないことも。
ここでは、客車は40-50年経った昔のものがそのまま使われていて、ある年代以上の人たちはきっと懐かしさを感じるのでは? 木の温もりが感じられるクラッシックな客車でガタゴトいう列車に揺られるのは、とても贅沢なひと時だと思いました。窓が開けて写真を撮りたかったのですが、SLの煙が入ってしまうため大きく開かないんですね。
この日のウォータークロス線では、SL3両がほとんど休みなく往復、意外と勾配のある坂道もあえぎながら登って行きます。

観光客は、小さな子ども連れがほとんど

男の子が着ているのも「トーマス」

男の子が着ているのも「トーマス」

ロンドンからアルトンへの電車にはあまり乗客はいませんでしたが、実際にウォータークロス線に乗ってみるとたくさんの家族連れがいます。日本人の家族も目立ちます。どうも途中駅に設けられた駐車場まで車でやってくるんですね。
子どもたちは、男の子なら着ているTシャツがトーマスの絵、持っているリュックサックもトーマスが付いていたりします。
きっと、トーマスやその仲間たちが大好きなんでしょうね。
「本当にトーマスに会えるの?」そんなことをお父さんに聞きながらここへやって来たのかな?

やっぱりトーマス!

おっと、トーマスは「ごはん」中でした

おっと、トーマスは「ごはん」中でした

顔のついた機関車に引かれて到着したロプレー(Ropley)駅、向かいのホームには、「トーマス」が待っていました。絵本のとおり、笑った顔、水色の体です。
「あー!トーマスだ!!」思わず隣の子どもと同じ言葉が出てしまいました。
ロプレー駅ではトーマスが小さな貨車を引いて駅構内を数百メートル走ります。わずか5分弱の「旅」ですが、子どもたちだけでなく、大人たちもうれしそう。みんな貨車の中からホームの人たちにニコニコと手をふっています。

本物のSLが走る姿は圧巻!

先頭に顔こそついていますが、走っている機関車は本物、石炭を焚いて煙をはきながら走ります。駅に到着すると、昔ながらのポンプから水を注入したり、連結作業も人の手で行われていたりします。
機関士の着ている作業服は本当にすすで黒く汚れています。もちろん手も真っ黒!
子どもたちはトーマスが走っていることで大喜びですが、運行に携わる大人たちの真剣さにナビは感動してしまいました。
駅長さんの出で立ちもとても立派です。心からこの「職務」を楽しんでいる感じが伝わってきます。

トップハム・ハット卿も登場


ソドー鉄道の局長、トップハム・ハット卿が途中駅で「偉そう」にしています。口癖は「お前は遅れと混乱を招いたんだぞ!」機関車たちを愛しているが、仕事には厳しい……。
また、駅前には汽車が運休したときに使われる代行バスが停まっていました。なんらかの都合でトーマスたちが走れない時はこのバスが活躍するのでしょうね。
アルトン駅に戻って来ました

アルトン駅に戻って来ました


保存鉄道では、日本の観光地のように、派手な音楽が流れているわけでもなく、きらびやかな飾り付けがされているわけでもありません。でも、本物を体験することの素晴らしさ、みんながトーマスを、鉄道を愛していることが存分に伝わって来ます。
ロンドン行き電車のホームから<br>名残惜しそうに見送る人も…

ロンドン行き電車のホームから
名残惜しそうに見送る人も…

「子ども向けのイベントだからーー」と思わないで、大人だけで行ってもきっと楽しめると思います。トーマスが運行されるときにはぜひウォータークレス線を訪ねてみてくださいね。
以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-05-09

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