セント・パンクラス国際駅

セント・パンクラス・インターナショナル・トレイン・ステーションSt Pancras International Train Station

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宮殿のような外観を持つターミナル駅です。国際列車ユーロスターをはじめ、ドーバーやカンタベリー方面への高速列車、イングランド中東部などへの長距離列車が乗り入れています。

こんにちは、ロンドンナビです。
きょうは、ロンドンのターミナル駅のひとつ、セントパンクラス駅について紹介しましょう。
ヴィクトリア朝ネオ・ゴジック建築の高貴な外観を持ち、まるで宮殿かと見紛う豪華な雰囲気のこの駅には、パリ、ブリュッセルなど欧州大陸への国際列車「ユーロスター(Eurostar)」をはじめ、ケント州への高速鉄道「サウスイースト・ハイスピード(Southeast Highspeed)」、そしてイングランド中東部、ロンドン近郊への通勤列車が発着しています。
鉄道駅としての機能はもとより、ロンドン中心部の代表的なショッピングモールとしても親しまれています。
おしゃれなカフェ、レストランやショップがあって、列車に乗る用もないのについつい足が向いてしまうほど。たかが駅、と思うなかれ、ナビはロンドンの代表的な観光地の1つとして訪れるべき場所だと思いますよ。
では、セントパンクラス駅について順番に紹介して行きましょう!

駅の開業は19世紀、でも内装は近未来的な雰囲気?


この駅は、ミッドランド鉄道のターミナルとして1868年に開業しました、駅舎は高い時計塔と全長210メートルの大屋根を持つのが特徴です。宮殿のような建物は長期にわたって「空き家状態」にありましたが、2011年夏ようやくホテル「ルネサンス・セントパンクラス」として改めて使われ始めました。

地下鉄駅から通路を抜けて駅舎に入っていっても、「古い建物と現代的な設計」がうまく融合しているのがわかるのですが、面倒でもいちど通り(ユーストン・ストリート)に出て、駅舎を外から仰ぎ見ることをお勧めします!
また、パンクラス・ロード側の入口はうってかわって超近代的な雰囲気。タクシーで駅に向かうとこちらから入場することになります。

欧州大陸に国際列車「ユーロスター」で行こう!


※プラットホーム5-10=ユーロスター乗り場
「ナポレオン時代からの念願」といわれた英仏海峡トンネル。いまではこの「ユーロトンネル」が、英国のフォークストーン(Folkstone)とフランス・カレー(Calais)との間を20分余りでつないでいます。
ここを走り抜け、英国とフランス、ベルギーを結んでいるのが国際特急「ユーロスター」です。

以前はウォータールー(Waterloo)駅から発着していたのですが、速度的な問題から英国に上陸すると時速80キロほどでのんびり走るしかありません でした。そこで新たにロンドンからユーロトンネルの入口まで高速鉄道線「ハイスピードワン(HS1)」を建設。2007年11月14日から、セントパンクラスが発着駅となっています。
ユーロスターの駅はまるで空港のようになっています。専用改札口を抜けると、まず最初に設けられているのはフランス側の入国審査場です。列車に乗る前に、 大陸側の入国検査を終えてしまうシステムとなっています。そのためユーロスターに乗る際は、発車45分前までに改札を抜けねばなりません。
ホームを外から見るとガラス張りになっていますので、ユーロスターの勇姿を駅構内から望むこともできますよ。

ケント州とを結ぶ日本製高速列車「サウスイースト・ハイスピード」


※プラットホーム11-13=サウスイースト・ハイスピード乗り場
HS1を使って、ロンドンとケント州を結ぶ高速鉄道「サウスイースト・ハイスピード」が運行されています。この鉄道にはなんと日本の日立製車両が使われています。大雪で在来線がほぼストップした際もこの路線だけは運行、新幹線の技術の高さが改めて見直されたそうです。
高速列車はセントパンクラスからしばらくHS1を走るのですが、途中から在来線への乗り入れを行っており、ケント州の小さな街へも直行することができます。港町・ドーバーや、世界遺産の大聖堂があるカンタベリーなどが主な目的地です。
なお、サウスイースト・ハイスピードに乗るためには専用のチケットが必要です。

オリンピックパーク最寄り駅までわずか7分


2012年夏にロンドンオリンピックが開かれた際、「サウスイースト・ハイスピード」は、市内中心部と五輪会場とのピストン輸送に大いに貢献しました。車内で選手村に戻る日本選手の姿もよく見かけました。2014年4月に市民向けに改めて開放されたオリンピックパーク(Olympic Park)近くには、高速鉄道の駅・ストラットフォード・インターナショナル(Stratford International)が設けられており、セントパンクラスからわずか7分で行くことが出来ます。駅と公園の間には、ウェストフィールド・ストラッドフォードシティーという巨大ショッピングモールもあります。

在来線のターミナルにもなっています!


※プラットホーム1-4=イースト・ミッドランズ・トレインズ
※地下ホームAとB=テムズリンク線

ユーロスターのホームの左側(西側)奥には、イングランド中東部(レスター、リーズ他)へ向かう鉄道イースト・ミッドランズ・トレインズ(East Midlands Trains)のホームが設けられています。
さらに、地下ホームもあって、ここにはロンドンを南北に縦断するテムズリンク(Thameslink)線が乗り入れています。この路線は、ロンドン北部のルートン、セント・オーバンズなどのベッドタウンからロンドン市内を南北に抜け、南郊外のガトウィック空港、そして南海岸のブライトンなどを結んでいます。

気になるレストランは?


さて、セントパンクラスにはどんなお店が入っているのでしょう。
地下鉄駅から通路を抜け駅へと入って行くと、きっと「駅というよりショッピングモール」という印象を受けるかと思います。それもそのはず、駅全体がその名も「セントパンクラス」というブランド名がついた商業施設になっているからです。でも、エスカレータを上に上ると、すぐ横にユーロスターが止まっていて、ようやく駅の中にいることに気がつくでしょう。
構内にはさまざまなお店があり、ナビは「ロンドン北部にいて、食べる場所に困ったらこの駅に行こう!」と提言したいほど。カジュアルなカフェやレストラン、はたまた回転寿司まであって、チョイスには事欠きません。穴場は、ユーロスターのホームと同じ階にあるパブやラウンジバー。ゴシック調の建物の素晴らしさを味わいながら、のんびりとお酒や食事を楽しむことが出来ます。
またレストランなら、G階(グランドフロア)へ。ペイトン&バイン(Peyton and Byrne)や、ベヌーゴ(Benugo)、ワインバーのDesVins Cafe & Wine Barなどがおすすめです。

あのキャスも入店、ショッピングも楽しみ!


駅構内のショッピングモールには、この駅から旅立つ人々がスナックやランチを買うためのサンドイッチショップやカフェ、スーパーなども充実していますが、見逃せないのは「大陸に向かう人々が最後のショッピングを楽しむため」のお店。まるで空港の免税店のように、有名店がずらりと並んでいます。それぞれのお店は市内のフラッグシップショップと比べたら小ぶりですが、1つのスペースにいろいろなお店が集まるという点で便利な場所と言えます。
中でも見逃せないのは「キャス・キッドソン」。日本でも大人気の花柄の雑貨は、英国でもポピュラー、2011年夏に出店しました。また、リージェント・ストリートにお店を構える玩具店「ハムリーズ」、英国最古の書店「フォイルズ」の支店などがあります。

セントパンクラスの未来は?


2011年には豪華な駅舎がホテルとして再開するなど、設備面ではほぼ完成に至ったセントパンクラス駅。欧州への窓口として、重要な地位を占めています。しかし、この駅はまだ進化を続けます。2015年頃には、ドイツやオランダへの直行列車が走り始めます。これまでは、ユーロスター(フランス資本)が欧州大陸線を独占していましたが、これが他社へも開放されることとなり、ドイツ鉄道(DB)がロンドンへと乗り入れることが決まりました。DBはロンドンから、ユーロトンネルを通って、ケルンーフランクフルト、アムステルダムへの路線を延ばす計画を持っています。最新型のドイツ製高速車両ICEの完成が遅れたため、ロンドンへの乗り入れは予定より2年ほど遅れる見込みですが(2014年4月現在)、いずれは日、英、仏、独の高速列車がセントパンクラスで共演することになりそうです。(写真は、ICEが一度だけ試験運行した時のもの)


世界各国からの訪英客で賑わうセントパンクラス駅。皆さんも旅行中にぜひ一度訪れてはいかがでしょうか?
以上、ロンドンナビでした。
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記事更新日:2014-05-08

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スポット登録日:2012-02-29