英国の鉄道旅行を楽しもう!

鉄道発祥の国、英国で列車の旅を存分に楽しんでみませんか?

大きなドームは歴史を感じさせてくれます<br>(ロンドン・パディントン駅にて)

大きなドームは歴史を感じさせてくれます
(ロンドン・パディントン駅にて)

こんにちは、ロンドンナビです。いうまでもなく、英国は鉄道発祥の国。路線は国内を網の目のように結んでいます。せっかく英国を訪れたなら、郊外や地方都市への列車の旅にトライしてみませんか?今回は英国の鉄道旅行の楽しみ方についてご紹介しましょう。

イギリスには国鉄がない?

上の赤いマークがナショナルレールのロゴ

上の赤いマークがナショナルレールのロゴ

鉄道が生まれた国・英国には「国鉄」がありません。以前はブリティッシュ・レール(=英国国鉄)という組織があったのですが、ちょうど日本の国鉄がJRへと組織改変(民営化)されたように、英国では20数社の運行会社が列車を走らせています。でも、難しく考える必要はありません。すべての旧国鉄路線は、ナショナルレールの名で運営されており、(一部の格安切符を除けば)1枚の切符で目的地まで列車に乗り継いで行くことができます。
エジンバラ方面に向かう特急「インターシティ225」です

エジンバラ方面に向かう特急「インターシティ225」です

英国にもわずかですが寝台列車があります<br>(写真はカレドニアン・スリーパー)

英国にもわずかですが寝台列車があります
(写真はカレドニアン・スリーパー)

ロンドンには「ロンドン駅」がない?

ロンドンのメイン駅の1つ「ヴィクトリア駅」

ロンドンのメイン駅の1つ「ヴィクトリア駅」

東京には東京駅、大阪には大阪駅がありますが、ロンドンにはロンドン駅はありません。これは、19世紀以降、鉄道各社が自社の都合でロンドンの適当な場所から郊外、地方へと線路を引っ張り、それぞれがロンドンのあちこちに駅を作ったという経緯によるもの。各社は駅が所在する「エリアや近所の通りの名前」をそれぞれ駅の名前として呼ぶようになりました。現在、ロンドンにはターミナル駅がなんと13カ所もあり、それぞれ郊外に向かって線路が延びています。さらに困ったことに、これらの駅を結ぶ旧国鉄の線路はありません(東京では山手線、大阪には大阪環状線がありますが、そういったものはロンドンに存在しません)。代わりに地下鉄のサークル線がそんな役割を担っていて、13あるターミナルのほぼ全部を結んでいます。

イギリスには特急券がない?

切符と指定券の例(2枚セットで使います)

切符と指定券の例(2枚セットで使います)

イギリスの列車には特急券や急行券といった、速い列車に乗るときの追加料金の制度はありません。したがって、ある区間を遅い列車に乗ろうが、速い列車に乗ろうが料金差はありません。ですから、たとえばマンチェスターやエディンバラなどに向かう特急でさえも普通乗車券だけで乗れます。

(ただし、ロンドンの空港特急=ヒースロー・エクスプレスとヒースロー・コネクト、ガトウィック・エクスプレス、ロンドン~ケント州間のハイスピードはそれぞれ専用の料金が設定されています)。
ヒースロー・エクスプレス

ヒースロー・エクスプレス

ヒースロー・コネクト

ヒースロー・コネクト

ガトウィック・エクスプレス

ガトウィック・エクスプレス

サウスイースト・ハイスピード

サウスイースト・ハイスピード

上記の列車はいずれも別料金がかかります

イギリスには座席予約料がない?

駅に置かれている自動販売機の例

駅に置かれている自動販売機の例

イギリスでは、長距離列車に乗る際の座席指定料金はありません。切符を買うときに同時に窓口で申し出る(またはウェブで買う際に指定する)と、無料で予約を取ることができます。さらに、1カ月有効の往復きっぷを使っての予約は、無料で変更が何回でもできます。一方、乗る列車が指定されている格安切符は、購入時に座席番号まで指定されてしまい、一切変更は許されません。
駅のインフォメーションカウンター

駅のインフォメーションカウンター

チケット売り場の例(ヴィクトリア駅)

チケット売り場の例(ヴィクトリア駅)

1等車にはお茶のサービスがある?

お茶のセッティングがなされた1等座席

お茶のセッティングがなされた1等座席

長距離列車の1等車(ファーストクラス)に乗ると、お茶とお菓子が無料でサービスされます。時間帯や区間、列車の運営会社によってサービス内容は異なりますが、紅茶とコーヒーをはじめ、ビスケットやポテトチップス、果物などが提供される場合もあります。さらに、出発前には1等客向けのラウンジも利用でき、ここにもお茶とお菓子が用意してあります(もちろん無料)。格安前売り切符によっては、普通車と1等車の価格差がわずか数ポンドのことも。
1等座席にて、車内での熱い飲み物はうれしいです

1等座席にて、車内での熱い飲み物はうれしいです

1等乗客用のラウンジではスナックなどを準備

1等乗客用のラウンジではスナックなどを準備

近郊電車でもワゴンサービスがある?

デッキにあった販売ワゴンです

デッキにあった販売ワゴンです

ちょっと長めの距離を走る列車では、お茶や飲み物、スナックなどを売るワゴンサービスが回ってきます。サービスの有無は、ナショナルレールのサイトでチェックできます。列車の中で熱いコーヒーが飲めることから、意外と良く売れているようです。また、マンチェスター方面に向かうヴァージン・トレインでは、車両の半分がまるでコンビニのように充実した車内売店もありますよ。
コーヒーを準備中のスタッフ

コーヒーを準備中のスタッフ

コンビニ並みの品揃えには驚きです!

コンビニ並みの品揃えには驚きです!

そのほかの施設、設備は?

特急列車はこんな雰囲気です<br>(ヴァージントレインの車内)

特急列車はこんな雰囲気です
(ヴァージントレインの車内)

車内トイレは、ロンドンの近郊電車を除いてほとんどの列車に取り付けられています。長距離列車には100%完備。駅のトイレはほとんどが有料なので、列車に乗ってから済ますのもアイデアかもしれません。長距離列車の中には、車内でWifi(ワイヤレスLAN)が無料で利用できたり、パソコンや携帯の充電ができる電源端子がついていたりする車両があります。さらに最新型の特急車両ではヘッドフォンをつなぐと音楽が聞けるようになっている装置をつけているものや、飛行機のように映像が見られる席もありと、乗客に対するさまざまなエンターテインメントを提供しています。
超ローカル線では、こんな感じのディーゼルカーが走っています

超ローカル線では、こんな感じのディーゼルカーが走っています

イギリスの列車の運賃は「欧州各国では高い」と揶揄されていますが、それでも日本と比べたら格段に割安。ロンドンからちょっと足を延ばして、列車の旅を楽しんで見てくださいね。以上、ロンドンナビでした。
関連タグ:ナショナルレール

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-06-03

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