ロンドン五輪とパラリンピックの開閉会式と、陸上競技が行われる競技場。メーン会場となる「オリンピックパーク」の南西側にあります。
こんにちは、ロンドンナビです。
きょうは、ロンドン五輪のメーン会場とも言える「オリンピック・スタジアム」についてご紹介します。
五輪では、開閉会式のほか、陸上競技の会場として使われます。収容人員は約80,000人。環境に配慮した会場として、さまざまな工夫もなされています。
規模では、全英で第三位
オリンピックに使われる会場ですから、イギリスで最も収容人員が多いと思われがち。でもロンドンには、ここより大きなスタジアムとして、イングランドサッカーの聖地「ウェンブリー(Wembley)」と、ラグビーの聖地「トゥイッケナム(Twickenham)」の2つがあります。
とはいえ、80,000人もが収容できるスタジアムとあって、大会後の跡地を利用したいと考える人がいるのも当たり前。現在、近隣のプレミアリーグサッカーのチーム(ウエストハム、トッテナム)の2チームによる取り合いといった状況です(2012年6月現在、結論は出ていません)。
エコに留意したスタジアム
ロンドン五輪は、エコ対策を重視した大会と言われます。スタジアムの建設でも、環境への配慮を強く感じます。従来よりも75%軽量な鉄鋼を使用すると共に、産業廃棄物などから作られた「低炭素コンクリート」を使用し、CO2排出量も従来より40%削減できたそうです。
会場内を歩くと、ゴミのリサイクルのために分別するよう求められたりもします。
スタジアムには橋を渡って入場
スタジアムの両側には、リー川(River Lee)という自然の川が流れています。パーク造成の際には、この川のそうじから始めたと言われています(そのくらい「汚かった」そうです)。
スタジアムの入口には、計5本の橋が架かっていて、それが場内への入口通路となります。座席のゾーン別に入口が分かれていますから、入場の際は気をつけてくださいね。
西側には出入り口がない?
スタジアムの西側はすぐそばにパークと外界との境界が迫っています。そのため出入り口は西側にはありません。その代わり、パークの西側にあるトレーニング用グラウンドとの専用通路が作られています。ここは選手だけが通れます。また、スタジアムの西側はVIP用の座席をはじめ、記者席などが設けられています。
行われる競技は陸上のみ?
「これだけ立派な競技場を建設しておきながら、陸上しかやらないの?」という声も聞こえて来そうです。たしかにロンドンで行われた1948年大会では、陸上のほかサッカーの一部の試合も同じ競技場で行われたそうです。
このスタジアムで行われるのは陸上と開閉会式のみ。「サッカーのふるさと」でもあるイギリスでの五輪ですから、サッカーは「聖地・ウェンブリー」で行われます。
最大の見せ場、マラソンのゴールは?
マラソンの発着は、ザ・マルで
過去の五輪では、男子マラソンが閉会式の直前に終わる(競技場がゴールとなる)ことが多かったようです。今回のロンドン五輪ではどうでしょうか?
マラソンコースはなんと、スタジアムやオリンピック・パークとは全く 別の場所で行われます。スタートとゴールはエリザベス女王のお住まいであるバッキンガム宮殿前の通り「ザ・マル」に設定され、コースも金融街シティーとテムズ川岸の周回コースとなります。スタジアムに行かなくても沿道で応援が楽しめる、というわけですね!
聖火台はどこに?
ナビが5月に見学した際には、聖火台らしきものはどこにもありませんでした。ちなみにオリンピック・パーク全体を見渡しても聖火台は作られていません。6月現在、聖火の点火については具体的な発表は出ておらず、あるいはこっそりスタジアムのどこかに聖火台を作っているのか知れません。これは開会式当日までのお楽しみでしょうか?
売店などの施設は?
予行演習(5月のプレ大会)の際は、売店はまだ仮設状態でした。おそらく、五輪認定グッズ(お土産物)の販売店や、カフェ、バーができることでしょう。プレ大会のときは、フィッシュ&チップス店やインドカレー店も登場。あるいは、予想以上のおいしい料理がスタジアムで楽しめるのかもしれません。ただ、料金は全体的に高め。地元の新聞には「いくらなんでもボリすぎ」という批判記事もありました。
この記事を読んで、実際にスタジアムで競技が見られる人は運の良い人でしょう。陸上の切符の競争率は極めて高く、ナビもとうとう買えませんでした(開閉会式はさらに競争率が高かったようです)。
日本選手の活躍はもとより、ジャマイカ・ボルト選手の世界記録などにも期待がかかります。いまから楽しみに待つことにしましょう。
以上、ロンドンナビでした。