映画「ノッティング・ヒルの恋人」の舞台となり一躍有名になった街。クレパスのように色とりどりに並ぶ可愛らしい建物群はこの街の特徴。ポートベロー・マーケットには毎週3万人以上が訪れる人気です。
こんにちは、ロンドンナビです。
きょうは、映画のヒットで世界的にその地名が有名となったノッティング・ヒル(Notting Hill)についてご紹介しましょう。
年間を通じ、ノッティング・ヒル・ゲート駅の北側に開かれるポートベロー・マーケットは多くの観光客でにぎわいます。また、8月下旬には欧州最大のお祭りの1つ、ノッティング・ヒル・カーニバルが行われます。
意外と広いノッティング・ヒル
「ノッティング・ヒル」と一言で言っても、その広さは南北2キロほど、東西1キロほどの広い範囲に広がっています。歴史的経緯をみると、かつてはロンドン西部の閑静な高級住宅地だったのですが、年を経るにつれ、カリブ系など中南米からの移民がこのエリアに居を構えるようになりました。いまでは、いわゆる白人だけでなく、アフロアフリカン系の人々の姿も多く見かけます。
ノッティング・ヒルに出かける目的は?
ナビは「ノッティング・ヒルという場所に出かける旅行客はどんな目的で行くのだろうか?」と考えました。大きく分けて3つの目的に集約されるのではないでしょうか?
1つ目は、1999年に公開された映画「ノッティング・ヒルの恋人」に出て来た撮影スポットや映画のモチーフとなった場所を訪れるというもの。いまでも、スポットの多くは撮影当時の面影を残している場所が多いことから、多くの観光客の注目を浴びています。
2つ目は、ポートベロー・マーケットへの訪問。ノッティング・ヒルの中心部を南北に縦断するポートベロー・ロードを使って開かれるマーケットは日曜以外の毎日(規模は曜日によって異なりますが)行われています。
3つ目は、ポートベロー・マーケットで毎週土曜日に開かれる「骨とう市(アンティークマーケット)」でのお宝探しのため。プロの骨とう商までもが掘り出し物を探しに行くというだけあって、ファンにとっては垂涎の場所といえるでしょう。
ノッティング・ヒルにないもの(1)=公園
ロンドンの町中を歩いていると、どこかしこに大小さまざまな公園があるのを見かけます。ところが、ノッティング・ヒルにはほとんど公園らしい公園を見かけません。
これは、お屋敷の裏側にプライベートガーデンが作られているから。たいていはビルや住宅の建物でガーデンが囲まれているため、通りからその実物を見ることはほぼ不可能です。ちなみに映画「ノッティング・ヒルの恋人」でも、ウィリアムとアナがプライベートガーデンで語らうシーンが出てきます。
ノッティング・ヒルにないもの(2)=トイレ
これは興味の有る無しにかかわらず、数時間に一度はだれもがお世話になります。しかし、ノッティング・ヒルにはトイレが少なく、観光客の多くがトイレ探しに頭を悩ませるようです。
いちばん確実なのは、どこかのカフェに立ち寄ったついでに利用しましょう。なお、カフェのトイレだけ借りるというのはまず無理です。
ポートベローロード沿いに有料の「カプセル式トイレ」がありますから、見つけたら使うという方法もあります。
夏の大イベント「ノッティング・ヒル・カーニバル」
毎年、8月最終週の日曜と翌日のバンクホリデー(祝日=月曜)には、欧州最大のストリートカーニバル「ノッティング・ヒル・カーニバル」が開かれます。
これは、「リオのカーニバル」をロンドンに持ち込んだ、といえば、その騒ぎっぷりが理解出来るでしょうか? ロンドンでは、ブラジル系はもとよりカリブ系やアフリカ系の人々が参加、にぎやかなパレードが行われます。
ノッティング・ヒル一帯には、カリブやアフリカの味が楽しめるさまざまな屋台が立ち並び、1つの町がまるまる大イベント会場と化すほど。ロンドンでは、このイベントを境に急激に秋が深まるとあって、「夏の終わりの大騒ぎ」という感も強いです。
パレードの観衆は100万人近いといわれ、当日は地下鉄駅の入場規制が行われるほか、広い範囲で道路の通行止めなどが行われます。イベントが終わると、高級住宅街の至る所にカラの酒瓶がゴロゴロと転がっていることも。「カーニバルの時期は騒がしいからイヤ」とこの時期に合わせて夏休みをとって、海外に出かける住民も多いそうです。
目的はともかく、ノッティング・ヒルはロンドンの観光地としてチェックしたい場所のひとつであることに変わりありません。少なくとも半日くらいの時間をとって、マーケット&高級住宅地巡りをおすすめします。以上、ロンドンナビでした。