英国名物の1つ「フィッシュ・アンド・チップス」。白身の魚フライにフレンチフライを添えた、英国風ファストフードの王道を行くメニューです。ロンドン滞在中に、ビールとともにぜひ一度お試しを!
こんにちは、ロンドンナビです。きょうは、英国の代表的な料理「フィッシュ・アンド・チップス」について紹介しましょう。英国の料理はとかく「おいしくない」と言われがち。困ったことに代表料理のフィッシュ・アンド・チップスでさえ、極端にまずいものが出てきたりするのですが・・・たまたま、まずいものに出くわしたら運が悪かったと思うことにして、ロンドン滞在中に一度は試してみてはいかがですか?
シーフードレストランで出てくる典型的なフィッシュ・アンド・チップス
■魚フライはこうやって作る
お店で出番を待つ魚フライ
ベースとなる魚として一般的には北海で取れる「タラ(Cod、Haddockなど)」の切り身が使われますが、店によってはカレイをつかうこともあります。これに、小麦粉をビール(または、卵、水)で溶いた衣をつけ、油で揚げます。
スーパーではこのようにして冷凍で売られている
フィッシュ・アンド・チップスを売り物にしているシーフード・レストランなら、その日に仕入れた生の魚に衣を付けて揚げるため、ほんとうにおいしいフィッシュ・アンド・チップスが出てくるのですが、街で見かけるテイク・アウェー・ショップではたいてい「衣付きの冷凍食品」を揚げているだけなので、そもそも味を期待するのは無理、と言えます。ナビの経験から判断すると、シーフード・レストランで1人前10ポンド以上は出さないと、生魚を揚げたフィッシュ・アンド・チップスには巡り会えないと思っています。
お店で食べるとこんな感じ
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フィッシュケーキ・アンド・チップスというメニューも
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パブでは、さまざまな調味料が用意されている
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モルトビネガーのビン
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■ 付け合わせにはポテトと豆
これから鍋に向かう前のカット済みポテト
「フィッシュ・アンド・チップス」の「チップス」とは、日本で言うところのフライドポテト(アメリカ的な呼び名ではフレンチフライ)のこと。某ハンバーガーショップで出されるフライドポテトと比べると2−3倍の太さがあります。
このポテトもまた「くせ者」です。じゃがいもを棒状に切って揚げただけのはずなのにとんでもなくまずいものが出てくることがあるからです。生のポテトを揚げるところは少数派、ほとんどのお店ではこれまた「冷凍食品」を揚げて出します。ひどいところでは、さめたポテトを2度揚げして平気で出してきます(信じられないことに……)。また、ポテトとともに山盛りのグリーンピースが一緒についてきます。豆も確かに生の方がいい………と思うのですが、聞くところによると、冷凍ものは「豆が旬の時期に一気に冷凍加工する」ため、かえって生よりもおいしいという説も。しかし、お皿の上でころころ転がるグリーンピースだけを食べ続けるのは、日本人の食習慣から見たら「厳しい」ことかもしれませんね。
■ 何を付けて食べるか?
ハドックを切ってみたところ
調味料には何を使ったらいいでしょうか?「魚が食べたいけど、揚げた魚はいや」という日本人留学生が、フィッシュ・アンド・チップスの衣をわざわざはずして、しょうゆをかけて食べた、という笑うに笑えない話もありますが・・・英国の人たちは一般的に、麦芽を原料にしたモルトビネガーをかけて食べるのが普通です。なんとポテトにもこのモルトビネガーを「じゃばじゃば」かけて食べるのが当たり前。ナビは魚フライの方にはモルトビネガーのみ、ポテトにはモルトビネガー+食塩をかけて食べますね。とはいえ、お店ではタルタルソースやカレーソースを付けてくれることもありますし、ケチャップやマヨネーズを付けて食べる人もいます。いずれの調味料をかけるときも、レモンをしぼってかけると風味が一段と増します。
■ 冷えるとおいしくない! 早く食べよう
とうてい1人では食べきれない、この量!
「とんかつはさめてもいける」という人もいるかもしれませんが、フィッシュ・アンド・チップスはさめないうちに食べないと風味が大幅に落ちます。あまりにも急いで食べると、熱い油でやけどしますが。テイクアウトをするとき、昔は丸めた新聞紙に包まれて渡されるという習慣がありましたが、いまではほとんどのお店で発泡スチロールの器に入れて渡されます(まれに紙でできた容器も使われますが)。
おいしいフィッシュ・アンド・チップスに巡り合えましたか?また、別の英国料理を食べる機会があったら、また皆さんにお伝えしますね。以上、ロンドンナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-08-30