「クイーンズターミナル」という別名を持つこの建物では、全日空やルフトハンザなど「スターアライアンス」の各社便と国内線の一部が発着します。
こんにちは、ロンドンナビです。
今日は、2014年6月にオープンした、ヒースロー空港ターミナル2(T2)についてご紹介します。スターアライアンス各社の便が発着するこのターミナル、全日空(ANA)直行便や韓国のアシアナ航空、中国国際航空などが発着、利用する日本人訪英客も増えています。
初代の建物は1955年に完成
現在のT2は、この場所に最初の旅客ターミナルが建てられてから2代目の建物となります。最初の建物は1955年に完成。しかし老朽化や規模拡大を狙って新しい建物を建てる計画が持ち上がり、2009年に取り壊し。その後、5年の年月をかけて改築されました。現在のT2はクイーンズターミナルという愛称が付けられていますが、1代目が完成した時に即位して間もなかったエリザベス女王が完成式に立ち会ったことを記念したものです。
玄関口には巨大なオブジェが
設計に携わったのはスペインの建築家ルイス・ビダル氏。T2を「21世紀の大聖堂」と表現するビダル氏は制作コンセプトについて「目的地を創り上げること」と話しています。これは、ロンドン体験がこのターミナルだけとなる人も多いから、と説明していますが…。また、ターミナルの玄関口には、長さ78メートルのアルミニウム製の巨大オブジェ「スリップストリーム」がかかっています。到着ロビーから地下鉄に向かう途中に上をあおぐときっと見ることができるでしょう。
世界でも最も“IT化”が進んだターミナル
欧州最大の旅客需要を誇るヒースロー空港。ターミナル5の供用開始からT2完成まで6年を経ており、その間に進歩したさまざまなITデバイスを応用。世界で最もIT化が進んだ空港となっています。
出発・到着ロビーや免税店があるゲートエリアには、旅客が自由に使えるネットに接続されたタブレット端末が置かれています。機器の利用は20分まで無料(切れたらつなぎ直せば良いのですが)。ナビが試したところ、日本語は「読めます」が「打てない」ようです。
着陸から入国へ
日本から約13時間でヒースローに到着します。滑走路からゲートに入るまで結構時間がかかることも。欧州最大級の空港だけあって、ものすごい数の機体が駐機しているのを見ることができます。
機体がスポットインして、降機したら、スマホを持っている人はまずWi-Fiにつないでみましょう。Wi-FiはT2の建物内全ての場所に張り巡らされており、だれでも30分間無料で使えます。建物に入ってすぐの場所から使えますから、SNSでヒースロー到着のメッセージを即、アップすることもできますよ。
そのあと入国手続きに向かうことになります。到着ゲートの場所によっては入国審査場まで10分以上歩かされることも。
また、乗り継ぎを予定している人は、紫色の看板の案内に従ってください。
入国して、空港から市内へ
入国審査を受け、荷物を取ったらいよいよロンドンの街中に向かうことになります。
すべての公共交通機関は、地下鉄のヒースローターミナル123駅の近くに集められています。到着ロビーから駅までは歩いて5分ほど。駅の真上に長距離バスターミナル、市内バスの乗り場があります。
なお、タクシーと周辺ホテルまでのシャトルバスはターミナルの地上階の屋外にあります。
チェックインは全てマシンで
T2から出発する時の流れを説明しましょう。
チェックインはすべてATMのような機械で行います。出発ロビーに行くと、自動チェックイン機がずらり。任意の機械でT2から出発する全ての便のチェックイン手続きができます。出発ロビーにはある自動チェックイン機は全部で66台。この機械で、搭乗券だけでなく、航空会社に預けるトランク(受託手荷物=チェックインバゲッジ)に付ける目的地までのタグもプリントアウトされます。事前にWebチェックイン(さらには、モバイルチェックインでスマホに搭乗券データを取り込んでいる人)は、この手続きは飛ばしてしまって構いません。
チェックインを済ませたら、預ける荷物がある人は出発航空会社ごとに分けられたカウンター「Bag Drop」に向かいます。ここでタグをつけて係員に渡せば手続き完了。Webチェックイン済みの人のタグはここで発行されます。
出発ゲートエリアのショップは充実
ヒースローはハブ空港としての機能も大きいため、「ロンドン体験が空港内だけになる人も結構多い」そうです。そんな背景もあり、T2にはロンドンの街中にある、ありとあらゆるジャンルのお店が揃っています。建物内にはショップ33軒とレストランなどの飲食施設17軒が入っています。
有名百貨店ハロッズはもとより、日本人に人気の英国雑貨キャスキッドソンが出店。有名ブランドのブティックも軒を連ねており、バーバリーやポールスミスなど英国を代表するブランドはもちろん、
さらにT2には、百貨店ジョン・ルイスが空港内初出店。ロンドンをモチーフとしたグッズの他、アイルランドのデザイナー、オーラ・カイリの各種アイテムを揃えたコーナーもあります。
レストラン、カフェ。そしてパブも
レストランやカフェのラインナップも気になるところです。市内と同じサービスを目指すだけあって、EAT、LEONなど主な英国ブランドのファストフードチェーンは一通り店を構えています。また本格的なパブもあり、搭乗ぎりぎりまで「本場のエール」を楽しむことも。飲みすぎて飛行機に乗り遅れるといったことがないように。ちなみに、ヒースロー空港では出発便の案内アナウンスは一切ありません。
先進的な設備が揃うT2の紹介、いかがでしたか?「空港は飛行機に乗るために立ち寄る場所」だと思っていたら大間違い、日本への帰国前にはぜひ早めにチェックインして出発前のグルメやショッピングを存分に楽しんでみてくださいね。
以上、ロンドンナビでした。