イースター・サンデーに、オックスフォード大学とケンブリッジ大学が戦う「ザ・ボートレース(The Boat Race)」を見てきました。
プログラムを売る人々
スタート地点の風景
こんにちは、ロンドンナビです。毎年3月末〜4月初旬に行われる、オックスフォード大学とケンブリッジ大学が戦う「ザ・ボートレース(The Boat Race)」。日本語では、ボートレースと呼ぶより「レガッタ」と言う方がわかりやすいかもしれません。レガッタの中でも「華」と言われるのが「エイト」。両大学の対抗戦も8人乗りのレース艇で争われます。ちなみに東京でも毎年隅田川で早稲田大学対慶応大学のレガッタが開催されています。
オ大対ケ大の戦いの歴史は1829年が最初で、この時はオックスフォードが勝利。2009年までの対戦成績はオ大が75勝、ケ大が79勝で、同着も1度あります。
ザ・ボートレースの報道記事にはよく「春を告げる伝統の一戦」という枕詞が付けられますが、200年近いだけの歴史があるだけにそれも当然といえるでしょう。
レースはロンドン西部のテムズ川を使って行われます。コースは、パットニー橋(Putney Bridge)のやや上流からスタートし、ハマースミス(Hammersmith)とバーンズ(Barnes)の2つの橋をくぐり、チェズウィック橋(Chiswick Bridge)やや下流までの4マイル374ヤード(約6.8km)。レース艇はここをマラソン選手くらいの速さ、時速約20kmで進みます。
スタートは午後4時半、レース自体は20分弱で終わってしまいますが、それでも朝早くから大勢の観客がテムズ川畔に集まってきます。競技が始まるまでは広場や公園でビールを飲んだり、友人とおしゃべりをしたり、芝生に寝ころがったり、ランチボックスを広げているグループも……そう、ちょうど日本のお花見のようです。川に向かって建てられているパブは大盛況。 パブの中には1階がサーフショップならぬ「ボートショップ」、つまり、競技用のボート置き場になっているお店もあります。こういった店に自分のボートを預けているメンバーたちは、パブの2階のベランダから「高見の見物」を決めこみます。
バーベキューの屋台も登場、食べ物も意外と充実!
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お土産になるグッズもあちこちで売られている
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大会当日は、まずスタート地点に足を運ぶことをお勧めします。
場所は、パットニー橋を目印に川の南側を上流に向かって歩くと、両大学のレース艇が保管された「クラブハウス」があります。道路を横切る形で両校のシンボルカラーで染められたじゅうたんが敷かれていますから、場所はすぐわかります。シンボルカラーは、オックスがダークブルー、ブリッジがライトブルー。また、両大学のカラーがどちらもブルーなので、レースに出場する選手のことを「ブルー」と呼びます。スタート前にこのクラブハウス付近に行ってみましょう。運が良ければ、スタート前の準備をしている選手たちを間近に見ることができますよ。
公園で大画面を見ながらボートがやってくるのを待ってみるのがツウかも
スタート時間の約1時間半前には、BBCによるテレビ中継も開始、コースの沿線2カ所に設けられたワイドスクリーンを通じて視ることができます。川を遡るレース艇の動きの全てを実際に見るわけにはいきませんから、スクリーンが視られる場所に陣取るのがよいでしょう。試合前のエピソード紹介の映像の中に練習風景がありました。この試合に勝つために両チームとも1年間厳しいトレーニングを積んで来たのです。レースの日付とスタート時間が黒板に書かれていたのが印象的でした。
人にもみくちゃにされながらも、レース後半の映像を見続ける
いよいよ、スタート時間が近くなると選手紹介が行なわれます。そして両大学それぞれ8人の「ブルー」が自分たちのレース艇(全長17メートル、重さ約100キロ)を肩に担ぎ、クラブハウスからスタート地点へと向かいます。
午後4時半、いよいよ戦いがスタート。まずは設置されたスクリーンを見ながらの応援です。そして「本物」が川岸で待つ大観衆の目の前を通り過ぎるのは、わずか数十秒の出来事。それでも自分の目で生のレースを見ることは何ものにも代えがたい経験です。レース艇が近づいてくるとそれまで芝生に寝ころがってビールを飲んでいた人たちも川岸へ殺到、ひいきの大学名を連呼します。両大学にゆかりのある人々はそれぞれのカラーのモノを身に着けて応援します。
レース後の映像を見る双方の大学関係者
2010年のレースは、オックスが前半リードしていましたが、後半にブリッジが追い抜きそのまま1艇身以上も差を付けてゴール。ケンブリッジの優勝は3年ぶりのことでした。不思議なことにこのレースが終わった翌日から、ロンドンには本当に『春』がやって来ました。 以上、ロンドンナビでした。
関係グッズは市内にあるハケットで
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ウィンドウにはレースのコースも描かれている
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-04-28