ロンドン南西部のテムズ川沿いにある王立植物園に行ってきました!
駅から住宅街を抜けたつきあたりにあるヴィクトリアゲート
こんにちは、ロンドンナビです。今日はロンドン南西部のリッチモンド地区にある世界遺産に指定されている植物園、キューガーデンに行ってきました。正式名称はキュー王立植物園、2003年には世界遺産に登録され、2009年に創立250年を迎えました。地下鉄キューガーデン駅から住宅地を抜けるとすぐのロケーションです。
簡単な歴史を少しおさらいしましょう。キューガーデンは18世紀、ケープル卿が熱帯植物を集めた庭が始まりで、1759年にオーガスタ皇太子妃が宮殿の庭園として整備し、その後ウィリアム・チェンバースの建造物が次々と建設され、1840年には植物園として市民に開放されました。大英帝国時代に世界各地から集められた4万種以上の植物と700万種を超える標本も所蔵されています。現在も植物の研究機関として活動していて、種子を収集、貯蔵するシード・バンク(Seed Bank)としても有名な、世界の植物学研究と植物保護の最前線にある植物園といえます。
約120haある敷地はとにかく広くて、回るのにまる1日でも足りないぐらい。季節ごとの花々だけでなく、温室、日本庭園、パゴタ、空中散策路など。無料マップと日本語の案内を片手に、あちこちのスポットを巡ってみましょう。
ヴィクトリア朝様式の大温室、パーム・ハウス
【パームハウス(Palm House)】キューガーデンの象徴のような温室です。名前のとおり南国のヤシ類、パームを展示する温室です。ヴィクトリア時代のガラス建築としても貴重な建物。鉄骨のらせん階段を登ると温室内部を見下ろしながら歩けるようになっています。
熱帯雨林の植物が茂る一角には、ときどきミストが吹き出す
時々たっぷりのミストが吹き出して、南の国の空気が一層濃く感じられます。ナビが出かけた日に行われていたデモストレーションは「実」について。本物の種子や実を手に取ってそれがどんなものになるのか説明が聞けました。キューガーデンはヒースロー空港の近くにあるため、ひっきりなしに飛行機が頭の上を飛んで行きます。つい見てしまいますね。機内からもこのガラスの温室ははっきりと見えるんですよ。
うっそうと茂る南国の植物たち
|
|
この日は「実」について、子どもたちにレクチャー
|
【プリンセス・オブ・ウェールズの温室(Princess of Wales Conservatory)】
故ダイアナ妃によって建てられた温室です。三角形が重なったデザインが斬新ですね。サボテンや睡蓮、睡蓮の花が見事でした。世界各地の植物にあわせて温室各部屋の温度や湿度が設定されています。睡蓮の咲くお部屋がなぜか居心地が良くまったりとしてしまいました。
1987年創立の故ダイアナ妃の名前を冠した温室
|
|
三角形の屋根が連なっている
|
美しい睡蓮の花も
|
|
近くに寄ると、こんな感じ
|
ランチはオランジェリーレストラン(Orangery Restaurant)で食べました。ここ以外にも園内にレストランがもう1か所、それとコーヒーショップが2か所あります。レストランの建物は1761年に柑橘類を育てる目的で建築されたといいます。レストランでは、本格的な料理も楽しめますが、スタイルとしてはロンドンのカフェでよく見かけるセルフサービスのレストランです。
突然、目の前でくじゃくが羽を広げた
園内では植物だけでなくいろいろな動物にも遭遇します。クジャクがデモストレーション中でした。
【空中樹冠観察路(Treetop Walkway)】
地上18mに設置された空中散策路です。木々の樹冠を見るためのものです。いつも見上げている大きな木を見下ろしながら歩きます。キューガーデンには大木がたくさんあります。歴史を感じますね。
京都西本願寺勅使門のレプリカ
【京都西本願寺勅使門(Japanese Gateway)】突然こんなものが目に飛び込んできました。なぜ?なんでこんなところにこんなものが?調べてみたら、この門とその一帯にある庭園は、1910年ロンドンで行われた日英展示会で造られた日本庭園だそうです。桃山時代建造の京都西本願寺勅使門の複製です。白い砂と緑の松が美しい、とても「正統派」の日本庭園です。
松が見事な日本庭園
|
|
異国の地で日本を思い出してしまう
|
高さ50メートルのパゴダ
【パゴタ(Pagota)】園内のどこからでもその姿が望める仏教寺院にあるような塔。ウィリアムズ・チェンバーズ1762年の作品です。50メートルの高さがあり、8角形の10層。18世紀半ばイギリスで流行したガーデンスタイルで作られた建築物の例といわれています。内部には253段の階段があり、登れるようにも見えますが、ナビが訪問した際には門が閉まっていました。
テンペレイトハウス
【テンペレイトハウス(Temperate house)】世界最長のチリ産ワインバームが17mを越えてまだ成長を続けていたり、160年ぶりに花を咲かせたアフリカのプロテアがあります。
【おみやげも充実!】
おみやげも充実しています。少し価格は高めですが、ここにしかないというような、こだわりの品々がたくさん! ガーデニング用品はもちろん、花の苗や種も買えますし、マグカップやティータオルのなどの定番商品もたくさんありました。
半日でも温室やパゴダくらいは見られますが、やはり1日かけてじっくりまわってみたい場所です。内部の見学が終わったら、庭園の北側を流れるテムズ川の川岸を歩いてみるのもまたいい感じですよ。以上、キューガーデンからロンドンナビでした。
テムズ川側の門
|
|
キューガーデンの北側を流れるテムズ川
|
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-04-30