イギリス文学を華開かせたシェイクスピアが生まれ育ちそして余生を送った場所。ストラットフォード・アポン・エーボンに行ってきました。
ストラットフォードへGO!
こんにちは、ロンドンナビのマーボです。今回はイギリスを代表する文豪、ウィリアム・シェイクスピアの故郷ストラットフォード・アポン・エーボンに行ってきました。 前日までとてもいい天気が続いていたのに、天気予報はなんと、雨!バッドニュースからのスタートですが、心はウキウキ♪
オックスフォードのサービスエリアで友人2組と合流し、総勢7人、車2台で出発です。天気予報とはうって変わって、青空が見えるじゃないですか!このまま雨が降らないことを祈ります。
☆ストラットフォードに到着!☆
全員集合後、出発してから車でおよそ40分。ストラットフォードに到着です。ストラットフォード・アポン・エーボンという名前はサクソン時代の言葉で、「川のほとりのストラットフォード」という意味。エイヴォン川を中心に栄えた場所なんです。
この広場からはシェイクスピアが眠るホーリー・トリニティー教会やロイヤル・シェイクスピア劇場が見えます。そしてこの辺りの運河には白鳥が驚くほどたくさんいるんです!(白鳥はすべて、女王の所有物。大切にされているんですね。)
エイボン川から引かれる運河の周りは公園のように整備されています。広々としたこの公園にはナローボートが泊まっていたり、大道芸などが繰り広げられたり、観光客でにぎわいとても和やかな空気が流れています。
そのエリアの一部にある公園、バンクロフト・ガーデンの中央にはシェイクスピアの像が、作品に登場する人物に囲まれるように建っているんです。
悲劇を象徴するマクベス
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コメディーを象徴するファルスタッフ
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シープ・ストリート
さあ、シェイクスピアの生家へ向かいましょう。バンクロフト・ガーデンからシープ・ストリートを通ります。さまざまな時代の建物が残っていたり、小さなお店やパブが立ち並び、とても趣のある通り。
ファルスタッフ体験
でも、一番個性を発揮しているのは、この建物。ストラットフォードで現存する最古の建物。さすがに年期の入ったチューダー時代の建物は堂々としています。でも、有名なのは古いからというだけでは、ないんです。実はこの建物、英国一の心霊スポット!イギリス人は大の心霊好き。本屋に行けば、その筋の本がいくらでも見つかるくらい。ということで、現在、この建物はお化け屋敷として大繁盛しているんです。「ファルスタッフの体験(Falstaff’s Experience)」観光地のアトラクションとして英国内で様々な賞をとっているんです。ストラットフォード、シェイクスピアだけじゃないんですね~!
ハイ・ストリート
シェイクスピアの生家にたどり着くまでにもうひとつ見逃せないのがハイ・ストリートにある「ザ・ガーリック・イン(The Garrick Inn)」。ここは、ハーバード大学に最初の寄付をしてその名を残したジョン・ハーバードの母親が住んでいた場所です。
シェイクスピアの生家
町並みに気をとられながら歩きましたが、とうとう着きました。「シェイクスピアの生家(Shakespeare’s Birthplace)」。1564年ウィリアム・シェイクスピアはこの家で誕生しました。結婚するまで(というか、した後も少しの間)住んでいた、シェイクスピアを支え続けた家なんです。
父親は、革手袋職人を本業としながらも、羊毛や金貸しで事業に成功し、裕福に暮らしていたようです。現在でも当時の様子を忠実に再現し展示されています。ここには有名な作家、チャールズ・ディケンズやマーク・トゥウェインも訪れているんです。
シェイクスピアの通った学校
シェイクスピア・ホテル
チャペル・ストリートを通るとシェイクスピア・ホテルが見えます。堂々とした貫禄のあるチューダー朝の建物。
さて、先ほどから出てくるチューダー朝ですが、1485年から1603年のイギリス王国の時代をさします。建物の特徴は、木材と白い漆喰の壁のコントラスト。木材を黒く塗るのはシェイクスピアの時代より後の風潮。釘や接着剤、ボルトは一切使わず、木材に開けた穴と木釘を組み合わせ固定していました。かつて、木は高価だっため木の部分の間隔が狭いほど、富を象徴していたそうです。
こちらが、シェイクスピアが通った学校。 2階が文法学・論理学・修辞学を学んだ教室、1階はギルドホールで旅役者の公演が行われていました。校舎としては使われていないものの学校自体は存続していて、ハーバードも行ったかもしれないということで、イギリス各地から入学を希望する生徒が殺到。競争率はとても高いそうです。
ナッシュの家
シェイクスピアの孫娘エリザベスが結婚したジョン・ナッシュの館。シェイクスピアがロンドンから戻って来た後に住んでいたニュー・プレイスと隣り合っている場所。ニュー・プレイスのシェイクスピアの屋敷は取り壊されていて、現在は庭園になっています。
ホーリー・トリニティー教会
チャペル・レーンを歩き進むと、先ほど遠くに見えていたホーリー・トリニティー教会に行くことができます。この教会は、生後間もないシェイクスピアが生誕洗礼を受け、そして現在でも眠る場所。宗教心の厚いストラットフォードの町で聖書の響きを日常的に聞き、その美しい旋律が彼の文学を豊かにしたといわれているんです。
立派な尖塔が富を象徴
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プロテスタント教会
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この奥にシェイクスピアが眠っています
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墓地
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アン・ハサウェイのコテージ
当時18歳だったシェイクスピアは、裕福な自作農家の娘で8歳年上の女性、アン・ハサウェイと結婚しました。ストラットフォードから車で2キロほど走ると、アン・ハサウェイが結婚するまで住んでいたコテージのあるショッタリー村に行くことができます。ハサウェイ家はイギリスの美しい田舎風景が広がるこのコテージに約300年間住み続けていました。
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どこを見ても絵になる風景が広がるストラットフォード・アポン・エーボンはイギリスの美しさがたっぷりと楽しめる場所です。偉大なシェイクスピアを育てたこの町にシェイクスピア自身も恩返しする形で現在も貢献しているところが、なんだかイギリス人の懐の深さを感じます。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-05-28