ロンドンマラソンを見てきました

春の祭典、4万人のランナーが走るロンドンマラソンを見てきました。

女子有力選手のトップ集団

女子有力選手のトップ集団

こんにちは ロンドンナビです。今日は4万人のランナーが走るロンドンマラソンを見てきました。
2010年の大会直前にはアイスランドの火山噴火の影響でヨーロッパ各地の空港が閉鎖。英国でも開催日が近づいても飛行機が飛ばず、参加選手がロンドンに来れないかも、というアクシデントがありました。記者会見は軒並み中止、前年の覇者で北京五輪金メダリストのサムエル・ワンジル選手も大会直前のロンドン入りとなってしまいました。
4月下旬のロンドンは思ったよりも寒く、雨も降りやすいので十分な防寒対策と雨対策をしてから応援へとでかけます。
まずはスタート地点のグリニッジを目指します。有力な女子招待選手が朝8時30分にスタート。そのあと、車いす部門がスタートし、男子招待選手とその他市民ランナーが一斉にゴールを目指します。
毎年4月に行われるこの大会は世界5大マラソン(他はベルリン、ボストン、シカゴ、ニューヨーク)の1つで1981年に第1回大会が行われました。参加者は4万人近く、沿道での観客は50万人以上、テレビも世界の150カ国へ中継という大イベントとなっています。

この大会で、特筆すべきは世界最大のチャリティイベントでもあることです。
出走者の9割がチャリティ枠と言われています。出場権を手にした人は「ボクが完走したら100ポンド寄付してください」とか、「こんな仮装で走ります、応援してください」といった様々な名目で寄付を募ります。集まった多額の寄付金はロンドンマラソンチャリティ基金を通じて非営利団体に寄付されます。これまでのレースで5億ポンド以上が集まっています。

さて、当日朝。
グリニッジの街まではたどり着けたのですが、スタート地点には残念ながら行くことはできず。ここからは「参加選手以外は行かないでください」との告知が。4万人近くのランナーが集まるわけですから、余計な観客などには来てほしくないということなのでしょう。ちなみにゴール地点もVIP以外は近づけないようになっています。
トップ選手の走りを間近で見られる

トップ選手の走りを間近で見られる

車いす部門でも世界中の有力選手が集まる

車いす部門でも世界中の有力選手が集まる

ペースメーカーに引っ張られる男子有力選手

ペースメーカーに引っ張られる男子有力選手

ランナーが来そうな時間まで、グリニッジマーケット近辺で待ちました。「絶対ここならベストポジション」という場所を見つけ、カメラを構えて待ったのですが、あまりに場所が良すぎて、目の前にBBCの中継用バイクカメラに視界を遮られ、ちょっとがっかりしました。しかし、雨の中をひた走る選手たちの姿を間近で眺められたのは感動モノでした。
2時間5分台を狙ってくる選手も

2時間5分台を狙ってくる選手も

このロンドンマラソンのコースは平坦で、良い記録が出やすいコースとしても有名。各国の有力選手たちも自己最高を目指したり、なんと世界記録を狙って走る選手もいるほどです。

ロンドンマラソンのコースは観光地をつないだルートともいえます。標準子午線が通るグリニッジ天文台裏の公園からスタート、世界遺産にもなっているグリニッジの町中を抜け、タワーブリッジでテムズ川を渡り、新金融街カナリーワーフのあるドックランズからイーストエンドを経て、ロンドン・アイを右手に見ながら、ロンドン塔、ビックベンとウエストミンスター寺院の横を抜け、最後にバッキンガム宮殿前のザ・マルがゴールとなっています。

沿道では観客が朝早くから選手たちを応援します。ところどころでブラスバンドが演奏をしてランナーをはげまします。
応援の仕方はとてもシンプル。選手のシャツに書いてある名前を呼んで、「○○!Come on!!」と声援を送ります。
コースは柵などもないところが多く、本当にすぐそばを選手が走っていきます。そして、ひとりひとりに暖かい声援と拍手。参加ランナーたちもとても苦しいだろうに、「サンキュー」とほほえみながら返事をかえす人もいるのです。
車いす女子の先頭(40キロ地点で)

車いす女子の先頭(40キロ地点で)

日本選手の活躍もまた楽しみの1つ

日本選手の活躍もまた楽しみの1つ

ロンドンマラソンでは、世界の有力選手の走りを生で見られるまたとない機会なのですが、別の楽しみはなんといっても、仮装ランナーのいでたちを見ることでしょう。今年も大勢のランナーがさまざまな奇妙な姿でレースに挑みました。目立ったのは、動物の「サイ」保護を呼びかける団体が、サイの着ぐるみで走ったことでしょうか。バレリーナのチュチュのように腰のまわりに様々な色の布をつけている人、大きなリュックを担いでいる人、ひときわ声援が多かったのはエルビス・プレスリーの格好のお兄さん、もちろん「エルビス!!」というかけ声がかかってました。
完走した人には赤いTシャツが配られた

完走した人には赤いTシャツが配られた

完走証明メダルが胸に光る

完走証明メダルが胸に光る

カナリーワーフの高層ビル群をバックにゴールを目指すランナーたち

カナリーワーフの高層ビル群をバックにゴールを目指すランナーたち

こんな仮装や………

こんな仮装や………

………あんな仮装も

………あんな仮装も

ゴール地点近くの「ザ・マル」。多数の旗が下がり、祝賀ムードがいっぱい

ゴール地点近くの「ザ・マル」。多数の旗が下がり、祝賀ムードがいっぱい

ロンドンマラソンにはゴールまでの制限時間がありません。とにかく最後まで走る、はじめから歩いていてもゴールをめざす!!完走した選手にはこんなメダルが渡されます。2時間5分台で走るランナーにも、7時間以上かけてコースを歩き続けた人にも同じように暖かい声援が飛ぶ。この大会が市民から愛され、価値のあるものになっている秘訣ではないでしょうか。一度は実際にあのコースを走ってみたい、と意気込みだけは十分なナビ。夕方近くにランナーと一緒にコース上を1キロほど歩いたのも良い経験になりました。以上、ロンドンナビでした。
関連タグ:マラソンイベント

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-05-31

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