ロンドンの基礎知識

世界都市ロンドン。とはいっても改めて基礎知識を見てみましょう!

こんにちは、ロンドンナビです。世界で最も有名な都市のひとつ、ロンドン。誰もがイギリスの首都と迷わず答えることができるでしょう。それもそのはず、ロンドンは世界都市としてヨーロッパ、中東、、アフリカの経済、情報、人が集中しています。それでいて文化も歴史も色濃く残る場所でもあります。そんなに有名なロンドンですが。今日はもう少しだけ基本的な全体像をご紹介しましょう。

ロンドンの名前の由来

地下鉄タワー・ヒル駅に立つローマ皇帝の銅像

地下鉄タワー・ヒル駅に立つローマ皇帝の銅像

ロンドンという名前のルーツをたどっていくと、ローマ帝国がテムズ川の北岸(現在のシティ)にロンディニウムLondiniumを建設した西暦43年以前にまで遡ります。先住民のケルト族が「川のあるところ」を意味してリンディン(Llyn-din)と呼びその後ローマ人によって Londiniumになり現在のロンドンになったようです。現在でもこのシティにはローマ時代の遺跡が近代的な建物の下に保存、展示されている場所がいくつかあるんです。

ロンドンの面積と人口

人種は様々、みんな仲良し!

人種は様々、みんな仲良し!

いわゆるロンドンといわれるエリアはグレーター・ロンドンと呼ばれ、広さはおよそ1,577平方キロメートル。(東京都は2,187平方キロ)、シティとウェストミンスター、そして31の特別区によって構成されています。人口はおよそ760万人。人口密度は4,761人/km² (東京都は5,960人/㎢)。ただユーロ経済圏なので、登録されていないヨーロピアンをカウントするとこの人口を上回ると予想されています。そして、大航海時代を経験した大英帝国は世界各地に植民地を持っていたこと、そして難民を受け入れる寛容さがあるため、人種の多様さも特徴の一つ。生粋のロンドナーに会えるのは実はなかなか珍しいんです。

ロンドンのエリア

ロンドンのエリアを話すときによく使われるのが、東西南北。テムズ川を挟んで北か南、そしてウェストミンスター付近を中心として西か東とエリアを区分。郵便番号をみれば実は一目瞭然!だいたいの位置がわかるんです。知らない土地でホテルやレストランを選ぶときにはとってもわかりやすいんです。また地下鉄などはウェストバウンド、サウスバウンドなどとどちらの方向に列車が走っていくかで表します。電車の終点を確認しなくてもどちらに行きたいか分かれば間違えずに電車に乗れるはず。
セントラル
ビッグベンやウェストミンスタアビーで有名なウェストミンスター、そして一流品がなんでも揃うメイフェアやショッピング・ストリートとして有名なオックスフォード・ストリート、リージェント・ストリートそしてエンターテイメントが凝縮されているエリア。また、ビジネス街の代名詞、そしてローマ時代に作られたロンドンの基礎となる「The City」もセントラルの東側に位置しています。セントポール大聖堂、モニュメントなどがあります。
シティのガーキンと古い建物

シティのガーキンと古い建物

セント・ポール大聖堂

セント・ポール大聖堂

ハックニーファーム

ハックニーファーム

イースト
波止場や埠頭が活躍していた時代、労働者や移民が多く住むロンドンの下町でした。地元の人だけが理解できる「Apple and Pear(=Up stairs 上階)」で有名な「コックニー」というロンドン語が聞けます。現在は、その下町の雰囲気を残しながらも飛躍的に変貌を遂げているんです。2012年オリンピックのメインスタジアムやExcelやThe O2という大型イベントスペース、そして新しい金融街カナリーワーフなど近代的な建物も出現。エッジ―でおしゃれなロンドナーが住み、ロンドンの今のカルチャーはここから生まれているといっても過言ではないエリア。
ケンジントン宮殿のオランジュリー

ケンジントン宮殿のオランジュリー

ウェスト
ダイアナ元妃が住んでいたケンジントン宮殿、サッカーチームで有名なチェルシーエリアなど落ち着いている住宅街が多い場所。ロイヤルアルバートホールやリッチモンド、キューガーデン、テニスで有名なウィンブルドンもこのエリア。
ノース
ロンドンの森で高級住宅地が近いハムステッド・ヒースや、ロンドンを一望できるアレクサンダー・パレスがあるエリア。アースナルの本拠地、エミレーツ・スタジアムもあります。
サウス
危ないといわれるエリアも多いけれど、それ以上に素敵な場所やおいしい場所も多く点在する場所。いつも多くの発見があります。また世界遺産のグリニッジがあります。
グリニッジの天文台

グリニッジの天文台

バラ・マーケット

バラ・マーケット

ロンドンの交通

シティのラッシュアワー

シティのラッシュアワー

ロンドンでの移動はバス・チューブ(地下鉄)・タクシーが一般的。発祥の地としても有名ですよね。最近では誰でも乗れる自転車も登場しています。

バス
種類は大きく分けて3種類。
*ロンドン名物、ダブルデッカー(二階建てバス)
*ベンディング・バス(2台分の長いバス)
*普通のバス
どこのバス停にもちゃんとした時刻表はなく、だいたい何分間隔で来るかだけが記載されています。気長に目的のバスを待ってください。

タクシー
ブラック・キャブという世界一古い歴史を持つタクシー。運転手になる資格の取得は非常に難しく、どんなに小さな通り名を言ってもわかってくれるし、メーターも付いているので安心して乗れます。それとは対照的にミニ・キャブという普通の乗用車のタクシーは割安ですが、若干技術に心配な面があります。旅行などの場合は安全面を考えブラック・キャブをお薦めします。
交通博物館のスライドの前でポーズするダンちゃん

交通博物館のスライドの前でポーズするダンちゃん

チューブ
東京のラッシュアワーはすごいといわれますが、ロンドンもなかなかのもの。ただし、ジェントルマンの国なので無理やり乗り込むことはしません。ある程度のスペースが確保できない場合、ロンドナーは電車を乗り過ごし、スぺースが十分ある電車が来るまでひたすら待ちます。車内の雰囲気も日本とは若干違います。およそ70%の乗客が何かしら読み物をしているはず。座席に読み終わった新聞が置いてあったらリサイクルして読むのも当たりまえ。また、男性はだいたい席を女性に譲ってくれます。女性も妊婦や老人がくれば席を譲る、そういう気持ちのよい譲り合いが普通に行われています。でもチューブではよく困ったことが起こります。それは、止まるはずの駅に止まらなかったり、信号機の故障で電車が止まったり。日常的に発生するので、そういうときはじっと再開を待つか状況によっては別の路線やバス、徒歩などの方法を考えたほうが賢明。とにかく時間に余裕を持って行動しましょう。
チャリ
そして最近新しく登場したのが自転車。試験期間を経て今は旅行者でも使えるようになりました。チューブよりもバスよりも実は一番目的地に早く着くのではないかと言われている自転車。是非試してみてください。でも交通事故には十分注意です!

ロンドンの天気と気候

降ったり止んだりの冬のカムデン

降ったり止んだりの冬のカムデン


ソフト・デイ=ちょっと雨
ウェット=雨
ドライ=雨じゃない
ヘイル=雹(ヒョウ)
ミゼラブル=どしゃぶり
グレー=どんより曇り
ラブリー・デイ=晴れ
フォギー=霧
と天気を表現する言葉はとっても豊か。断然悪天候を表現する言葉が多いことでもわかるように天気はとにかく悪く、雨が多いのがロンドン。とはいっても、山の天気のようにしょっちゅう変わるので、天気予報が雨でも丸一日ずっと降り続けることは珍しく、降っては止み、止んでは降るといった感じ。そして小雨も多いのです。そういったことから傘をさす人が少ないんです。晴れている瞬間は太陽の恵みを受けようと一斉に外へ出てピクニックしたりやレストランなどでも外で食べたりするんです。日本人にとってはまだ寒いなかどうして半袖(またはキャミソール)?どうして外で?と思うかもしれません。
夏のフェスティバルは晴れると最高!

夏のフェスティバルは晴れると最高!

冬のロンドンブリッジからの風景、どんより~

冬のロンドンブリッジからの風景、どんより~

冬は氷点下になることも。防寒対策を!

冬は氷点下になることも。防寒対策を!

ロンドンの四季
イギリス人の言う夏とは20度くらいの気候。30度を超えてじめじめで・・・という気だるい暑さは全くなく晴れていても日陰に入るとひんやり、日本の春くらいの気温で空気も乾燥しているのでカラッとしています。でも実は日差しは割と強いので日焼けには気をつけてください。朝夕の寒暖の差も激しくなるので着脱して調節できる重ね着をお薦めします。
冬はだいたい東京と同じくらいですが、近年のロンドンは寒波続き。例年にない大雪で交通網がマヒ・・・なんてことが増えています。寒くなった時はマイナス5度くらいになるので気をつけましょう。

エンターテインメント

ロンドンの素晴らしいところといえば、なんといっても文化が豊かなこと。多くの美術館や博物館が入館無料。しかも素晴らしい名画、名作の数々が多く収蔵されていて見ごたえ充分。有料の場所でも20ポンドすることは少なくリーズナブルに文化に触れることができます。そしてコンサートやミュージカルなども日本とは比べ物にならない公演数。手軽にチケットが購入でき、料金も予算、気分に合わせて選べるチョイスがあるのも魅力の一つ。オペラやバレエなどの有名な公演もリーズナブルに見ごたえたっぷり。
グリニッジにある国立海事博物館

グリニッジにある国立海事博物館

ケンジントンのロイヤル・アルバート・ホール

ケンジントンのロイヤル・アルバート・ホール

そしてやっぱりダイングアウトやナイトライフが楽しいのもロンドンのいいところ。雰囲気のいい楽しい場所がいっぱいです!
ブリックハウスのショー

ブリックハウスのショー

パブ「パーム・トゥリー」

パブ「パーム・トゥリー」

ロンドンの常識

レストランは禁煙です!
2007年7月より英国全土で禁煙が実施されてからというものレストランはどこでも禁煙。しかもパブでも喫茶店でも禁煙。たばこを吸わない人にとってはとても過ごしやすくなりましたが、愛煙家にとっては肩身の狭い思いをすることでしょう。

パブは11時まで!
ライセンスの関係により多くのパブは23時までの営業。23時の10分前になると大きな鐘の音が鳴り響く店内。これは「ラスト・オーダーズ」と呼ばれ、最後の注文を呼び掛けるもの。だから23時ちょうどにパブが閉まることはあまりありませんが、そのパイントがなくなったらお開きになります。まれに日にちが変わっても開いているお店もあります。そんなお店は特に週末、多くの人が集まってきて盛り上がります。

寒くても晴れていればノースリーブ!?
日照時間の少ないロンドン。晴れているうちに太陽をいっぱい浴びたーい!そんな気持ちで薄着になります。写真で見ると日本の夏のような気がしますが、はっきりいって寒いです。しかも日が落ちると15度ほど気温が落ちるのでやはり羽織物が必要です。ご注意!

ところにより持ち込みOK!
これまたライセンスの関係、または宗教的な関係でレストランでお酒をサーブしないお店があります。そんなお店にはお酒を持ち込みOKという粋なシステムがあります。外食で高いのはお酒・・・というノンベには耳よりの情報。うれしくって飲み過ぎに注意です。特に宗教的な理由でサーブしないお店では回りのお客さんの様子を見ながら一応ノンアルコールに敬意を払いながら飲みましょう。

スポーツ観戦大好き
スポーツの里、英国。みんなスポーツ観戦が大好きです。特に大きなゲームのファイナル近くはパブなど大変盛り上がるのでスケジュールをチェックしてマッチの時間に合わせて飲みに行くのもいいものですよ。本場の熱気を感じられることでしょう。みんな力を入れて好き好きに応援していますから。

ロンドナー
とはいっても実はロンドン生まれの人を見つけ出すのはなかなか難しい。イギリス人を見つけるのも実は難しいのではないかと思うほど、本当に国際的な街、ロンドン。ピカデリーサーカスはほとんどイギリス以外から来た観光客だし、シティーのビジネスマンもインターナショナル。チェルシーなどのポッシュエリアに行ってもフランス人、アメリカ人、ドイツ人などが多く住んでいます。

有名なロンドン、知ってはいたけど実はそうなんだーっていうところ見つかりましたか?基本情報を知っていれば旅行もスムーズ、その上、深みが出てくるはず!ロンドンが大好きになるといいですね。以上ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-04-19

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