五輪公園周辺ウォーキングツアーに行って来ました!

2012ロンドン五輪のメーン会場を外から見学するウォーキングツアーに行って来ました!

セントパンクラス駅に登場した巨大五輪マーク

セントパンクラス駅に登場した巨大五輪マーク

こんにちは!ロンドンナビです。2012年7月27日から8月12日まで開催されるロンドンオリンピック。ロンドンでは1908年、1948年にもオリンピックが開かれていて、同じ都市で3度オリンピックが開かれるのは史上初めて。ロンドンでは本番に向け、着々と準備が進んでいます。 そして、開会式までちょうど500日前となった3月15日には、市内中心部のトラファルガー広場にカウントダウンの時計が設置されました。また、その数週間前には、欧州大陸とロンドンを結ぶ国際特急列車ユーロスターが発着する、セントパンクラス駅に大きな五輪マークが掲げられました。市内で五輪マークがお目見えしたのはこれが初めてではないでしょうか。
工事現場の一角でこんな看板を見つけました

工事現場の一角でこんな看板を見つけました

トラファルガー広場に登場したカウントダウン時計

トラファルガー広場に登場したカウントダウン時計

今回、ナビは建設が進むオリンピックパークの周辺を巡るウォーキングツアーに参加してきましたので、その模様をお伝えしましょう。

地下鉄レイトン駅からパークの北側へ

駅前から臨むバスケットボール・アリーナ<BR>(左側の白い建物)

駅前から臨むバスケットボール・アリーナ
(左側の白い建物)

この日、ナビが歩くのはロンドン東部ストラットフォード周辺に広がるメーン会場周辺。見学ツアーはまず、地下鉄セントラル線・レイトン駅の前に集合。15名の参加者が公認ガイドの資格認定証である「ブルーガイドバッジ」を持つカレンさんとともに、約2時間半かけて歩きます。工事が進んでいるオリンピックパークの中へは入れませんが、フェンス越しに建設の様子や周辺住民のオリンピックへの取り組みについての説明を聞きながらツアーが進められます。
会場の図を使って説明するガイドのカレンさん

会場の図を使って説明するガイドのカレンさん

さて、まずオリンピックパークの北側で、カレンさんのお話を聞きましょう。オリンピックパークは、ロンドンが開催地に選ばれた2005年7月から準備が進められてきました。オリンピックパークの中には、「メーンスタジアム」をはじめ、自転車トラック競技の会場「ベロドローム」、水泳競技が行われる「アクアティックセンター」、そして選手村などが設けられる予定。施設の建設を担うオリンピック実行委員会(ODA)の予算総額は、92億9,800万ポンド(約1兆2,000億円)。ODAによると、これまで建設は順調に進んでいるとのことです。

すでに自転車用トラック競技場は完成

パークの北側から眺めた自転車競技場「ベロドローム」

パークの北側から眺めた自転車競技場「ベロドローム」

3月上旬には「ベロドローム」がパーク内の最初の競技施設として完成。北京オリンピックのトラック競技で、3つの金メダルを取ったクリス・ホイ選手もこの競技場を絶賛しています。6,000人の観客が収容できるこの施設は、エネルギー消費を減らすため、エアコンを使わず自然換気を行い、自然光を取り入れる設計となっています。また、大きな曲線を描く屋根は雨水を集め、その水はトイレや場内の水まきなどに使われるそうですよ。

「エコ」を追求するロンドン五輪

木屑などを燃料とする専用の発電・供熱施設が造られました

木屑などを燃料とする専用の発電・供熱施設が造られました

オリンピックパークはロンドン東部の2.5平方キロメートルを再開発する形で進められています。建設に当たっては温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出量を抑え、建築段階での廃棄物を極力少なくするといった取り組みがなされています。もともと工場地帯だったこのエリア、施設の建設を始める前にまず200万トンの土を除染、それを再利用しています。さらに、パークの一角には木の屑を燃料にした専用の発電所が設置されています。
高速列車のストラットフォード・インターナショナル駅

高速列車のストラットフォード・インターナショナル駅

また、会期中はすべての観客が公共輸送機関で会場に来られるように交通インフラの整備が進められています。すでにパーク内の選手村付近には高速列車のストラットフォード・インターナショナル駅が完成し、乗り降りもできるようになっています。市内中心のセントパンクラス駅からここまではわずか7分ほど。たくさんの観戦客が高速列車を利用することになるでしょう。

河川清掃を実行、周辺もきれいに

パーク内を南北に流れるリー川

パーク内を南北に流れるリー川

オリンピックパークの中には、リー川(Lea River)というテムズ川の支流が流れています。この付近は、産業革命以来の工業地帯だったのですが、その後スラム化。20年ほど前までは、汚くて治安が悪い場所の代名詞でもありました。ガイドのカレンさんによると、施設建設に当たって、周辺地域で真っ先に行われたことはリー川の清掃作業だったとか。川には冷蔵庫やテレビ、乳母車などありとあらゆる粗大ゴミが捨てられていたそうです。
すでに跡地利用のプランも練られています

すでに跡地利用のプランも練られています

地域住民の協力も得て河川の清掃を実施、パーク内はもとより周辺もずいぶんきれいになりました。オリンピックパーク内には、400本の木を植樹、さらに湿地帯には30万本の木も植えられました。会期後は欧州最大級の都市公園になる予定だそう。

国際放送&メディアセンターはすでに完成

フェンス越しに見たメディアセンター

フェンス越しに見たメディアセンター

オリンピックパークの北東角には、競技の中継などを行う放送局や報道機関のための「国際放送&メディアセンター」があります。建物と隣接する報道スタッフ用の駐車場はほぼ完成。競技施設よりもずいぶん早く出来上がっています。カレンさんによると、「配線や放送用機材を準備するのに1年くらいかかるため」と説明してくれました。会期中、ここから全世界に向けて競技の様子が発信されるのかと思うとナビもわくわくします。

目の前に開けた運河の景色

パークの東側には運河が

パークの東側には運河が

メディアセンターに沿って、パークの敷地東側に回ると意外な景色に出くわします。ここには運河が南北に流れていて、鴨や白鳥がのんびりと泳いでいます。運河沿いには数多くのハウスボートが繋留されていて、船内には人びとがふつうに暮らしています。会場のすぐ隣りにこんな景色があるとは驚き。運河沿いの遊歩道を歩いていると、ジョギングする人、乳母車や犬を連れて散歩する人など、付近に住む人びととたくさんすれ違いました。
運河では白鳥の姿も見られますよ

運河では白鳥の姿も見られますよ

遊歩道には道標がきちんと備え付けられています

遊歩道には道標がきちんと備え付けられています

遊歩道からはメーンスタジアムの威容が

運河の真横にメーンスタジアムが!

運河の真横にメーンスタジアムが!

オリンピックパークの東北角から運河沿いに南に向かってしばらく歩くとようやくメーンスタジアムが見えてきます。スタジアムの骨組みの一部は、不要になったガス管を使用。こんなところからも、史上初の「グリーンオリンピック」の成功に向けた意気込みが感じられます。建物はほぼ完成、照明灯用のスタンドもすでにできあがっています。8万人を収容するこのスタジアムでは、開会式と閉会式をはじめ、陸上など14の競技が行われます。ちなみに開会式で一番高いチケットは2,012ポンド(約26万円)となっています。
スタジアムを背に、カレンさんの説明も力が入ります

スタジアムを背に、カレンさんの説明も力が入ります

スタジアムは運河沿いからこんな間近に見えますよ

スタジアムは運河沿いからこんな間近に見えますよ

東側の遊歩道から眺めを楽しむ

遊歩道「グリーンウェイ」からパーク内が一望出来ます

遊歩道「グリーンウェイ」からパーク内が一望出来ます

オリンピックパークの東南側にある遊歩道「グリーンウェイ」からは、パーク内にある主な施設が一望できます。間近にはメーンスタジアムが、その南側には水泳競技用の「アクアティックセンター」、さらにその先には17,800人が収容できる「選手村」のビル群も見ることが出来ます。
グリーンウエイの一角には、会場案内図も置かれています

グリーンウエイの一角には、会場案内図も置かれています

仮設の観客席が建設中のアクアティックセンター

仮設の観客席が建設中のアクアティックセンター

シンボルタワーもだいぶ伸びてきました

シンボルタワーもだいぶ伸びてきました

オリンピックのシンボルタワーも着々と工事が進んでいます。高さ115メートルの「アルセロール・ミタル・オービット」という鉄骨でできたタワーは、赤いチューブが絡みあった不思議な形をしています。上部には展望台とレストランが作られる予定とか。
選手村の建物はほぼ完成<br>(ストラットフォード・インターナショナル駅付近で撮影)

選手村の建物はほぼ完成
(ストラットフォード・インターナショナル駅付近で撮影)

ストラットフォード駅の北側にはロンドン最大級の<br>ショッピングモールが開かれます

ストラットフォード駅の北側にはロンドン最大級の
ショッピングモールが開かれます

スタジアムをぜひ見に行きましょう!

スタジアムをぜひ見に行きましょう!

今回のツアーに参加してみて、パーク内部の現状はもとより、オリンピックの地域との融合や町づくりへの取り組みなどがよく理解出来ました。このルートは、だれでも自由に歩けます。市内中心部からちょっと足を伸ばして、「オリンピック現場の今」をこの目で見てみてはいかがですか?以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-03-29

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