ロンドンでシャーロック・ホームズを追跡してみよう!?

探偵シャーロック・ホームズゆかりの地をナビと一緒に歩いてみましょう。

こんにちは!ロンドンナビです。ロンドンといえばシャーロック・ホームズ。今日は世界一有名な探偵シャーロック・ホームズゆかりの地をナビと一緒に歩いてみましょう。皆さんも一度は、彼が活躍する物語を読んだことがあるのではないでしょうか?エジンバラ生まれの作家アーサー・コナン・ドイル(1859~1930)によって書かれたホームズのシリーズは19世紀末から20世紀にかけてのロンドンが舞台。100年くらい昔の建物ならごく普通に使われているこの街には、ホームズの物語に登場する建物や場所が今でもたくさん残っていますヨ。今日は文庫本片手にそんなロンドンをめぐってみましょう。

出発は地下鉄ベーカー・ストリート駅

ホームズが相棒ワトスンと暮らしていた家はベーカー・ストリート221b番地。物語が書かれた時、ベーカー・ストリートは85番地までしかなく、この住所はあくまで架空のものでした。ところが後の時代にベーカー・ストリートが延長され、この住所が生まれてしまいました。まずはそこへ行ってみることにしましょう。
地下鉄ベーカー・ストリート駅には世界最古の地下鉄であるメトロポリタン線が乗り入れています。ちなみにベーカー・ストリート駅の開業は1863年。ホームズもこの駅を利用したのかなぁ、とつい想像してしまいます。ベーカールー線とジュビリー線のホームではホームズに会うことができるんですよ。ベーカールー線のホームにはパイプを加えたおなじみのホームズの横顔が描かれたタイルが壁一面に飾られていますし、ジュビリー線のホームには、ホームズの物語のイラストが7枚飾られています。

駅前の銅像も必見です!

ホームズの家に行く前にホームズの銅像を見ておきましょう。ベーカー・ストリート駅のマリルボーン・ロード側出口を出た左側にあります。お決まりのインバネスコート、鹿撃ち帽(ディアストーカー)、パイプもくわえています。すっかりおなじみのホームズの出で立ちですが、実はこれ、物語が連載されていた雑誌「ストランド・マガジン」に使われた挿絵の影響が大きいのです。物語の中にはこんな具体的な描写はありません。ちなみに挿絵を描いたシドニー・バジェットは鹿撃ち帽を愛用していたのだとか・・・こういったホームズのイメージを決定づけた人として舞台俳優のウィリアム・ジレットの影響も大きいのです。

博物館はベーカー・ストリート239番地

いよいよ、ホームズ博物館に行ってみましょう。ここが世界中からホームズファンが集まる場所、入口にはスコットランドヤード(ロンドンの警官、もちろん本物ではありませんが…)がちゃんと立ってます。建物内部では、ホームズ関係のグッズがあふれんばかりに並んでいます。この家は1815年に建てられたもの、床がギシギシ音を立てます。物語『ボヘミアの醜聞』では、ホームズがワトスンに自分たちの家の玄関から居間への階段が何段あるか尋ねます。答えられないワトスンにホームズは「見てるだけではだめなんだ。観察をしなければね」と言うくだりがあります。このエピソードの通り、ヴィクトリア時代のホームズの居間が再現されている2階へ上るための階段は17段!

ホームズの物語は長編4編、短編56編

ここからは物語に出てくる場所を訪ねたいと思います。
まずはホームズとワトスンが出会った場所、金融街シティーの一角にあるバーソロミュー病院に向かいましょう。この病院の創立はなんと1123年だそう。『緋色の研究』で2人を引き合わせるのはスタンフォードというワトスンの知り合い。今も実在するクラテリオン・レストランの前でスタンフォードと会ったワトスンは「ホームズという人がルームシェアの相手を探している」と聞き、本人に会うことにします。連れて行かれたのがこのバーソロミュー病院。そこには研究室でヘモグロビンにのみ反応する試薬を発見して喜ぶホームズがいました。この時ホームズが口にした「アフガニスタンに行っておられたのでしょ?」というセリフはプレートに刻まれ、病院の壁に飾られています。

ホームズが事件現場に向かう駅

1836年、ロンドンに最初の鉄道が開通しました。19世紀末には英国の鉄道は総延長2万キロに達しました。ホームズも数々の事件を解決するため鉄道に乗って事件現場へと出かけています。チャリング・クロス駅は『アビイ農場』『金縁の鼻めがね』に登場。さらに『高名な依頼人』では駅舎にあるチャリング・クロスホテルの前で「ホームズ暴漢に襲われる!」という見出しの新聞が売られていた、というシーンもあります。
そうそう、駅の裏手にはホームズの名前を冠したなかなか良い雰囲気のパブ「シャーロック・ホームズ・パブ」があります。パブの看板はもちろんホームズ!
『バスカヴィル家の犬』では「土曜日にパディントン発10時30分発の列車」での待ち合わせが約束されています。ダートムーアにあるパスカヴィル家に向かうワトスンを見送る不安げなホームズ。彼の予感は的中してしまうのでしょうか?!

テムズ川クルーズに向かった『四つの署名』

『四つの署名』では、のちのワトスン夫人になるメアリー・モースタン嬢が持ち込む手紙から事件は始まります。ちなみにワトスンは彼女に一目惚れだったようですよ。リージェント・ストリートの北端にあるランガムホテルに泊まっていたはずのメアリーの父親が失踪。その10年後、謎の手紙が彼女に届きます。ランガムホテルは1856年の開業、前出の『ボヘミアの醜聞』でも使われています。手紙には「今夜7時にライシアム劇場の外、左から三本目の柱のところに来て欲しい」とありました。コヴェント・ガーデンにあるライシアム劇場ではミュージカル「ライオンキング」が上演されています。
その後、オーロラ号を追って警察艇でテムズ川の追跡が開始されます。船からワトスンが夕日で金色に光るセントポール大聖堂のドームを眺めるシーンや、ドックが並ぶテムズ川をグリニッジからアイル・オブ・ドッグ(現在のカナリーワーフ)へと向かうシーンなどが次々と登場します。

自らバイオリンを弾くホームズはコンサートにも出かけます

『隠居絵具師』では「退屈な日常から音楽というわき道に逃避してロイヤル・アルバート・ホールでカリーナの歌を聴こう」としますし、『赤い輪』では「まだ8時だから、コヴェント・ガーデン(ロイヤル・オペラ・ハウス)のワーグナーに間に合う」といったセリフがあります。そして、『瀕死の探偵』では警察の用事を済ませたら「シンプソン」で栄養のあるものを食べようと、ワトスンに「上着を着せてくれ」と頼みます。このストランド(通り)にある老舗レストラン「シンプソンズ・イン・ザ・ストランド」は、ローストビーフが名物の高級レストラン。今でもこのレストランを利用するなら、やっぱり上着は必要なようです。ちなみに、同店の過去からの顧客名簿にはホームズの名前も記載されています。
ロンドンでホームズを追跡!?してみました。いかがでしたか?まだまだホームズの物語に登場するロンドンのスポットはたくさんありますヨ。ホームズファンの皆さんも、そうでない皆さんも、是非見つけて、その場所を訪れてみてくださいね。以上、「犯人はロンドンナビを見たに違いない!」ホームズファンのロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-12-15

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