大英博物館に行ったらまず最初に「ルーム1」を訪れてみましょう!
 
 
	
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            これがルーム1の全景です
		         
	     
こんにちは、ロンドンナビです。
皆さんは大英博物館の「ルーム1(1号室)」のことを知っていますか?
この博物館の名物ともいえる、ロゼッタストーンやエルギンマーブルの人気に隠れてしまい、素通りしてしまう人も多いようです。でも、ルーム1には、この博物館創設の基となったハンス・スローン卿のコレクションなど大英博物館のエッセンスが詰まっています。さっそくご案内しますね。
  
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      
		        
		 
			        ハンス・スローン卿の胸像 
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			        キングス・ライブラリー創設者ジョージ3世 
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    かつての図書室がルーム1に
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            キングス・ライブラリーの面影が残っています
		         
	     
ルーム1はグレート・コートの東側、正門から入ると向かって右側にあります。現在、「啓蒙主義ギャラリー」(The Enlightenment Gallery)と呼ばれる展示室になっています。
ここには1990年代終わりまで「キングス・ライブラリー」として、ジョージ3世(1738~1820)によって世界中から集められた本その数およそ8万5千冊がびっしり並んでいまし た。それが、ミレニアム記念事業による博物館の大改装の際、図書室としての役目を終えました。かつてここにあった書籍は現在、セントパンクラス駅の西側にある大英図書館(British Library)に新設された「キングス・ライブラリー」に展示されています。
        
	
    ところで啓蒙主義とは?
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            18世紀の書物が並んでいます
		         
	     
「啓蒙主義」ということばを国語辞典で引いてみると「学問のない人に知識を与える」とあります。さらに調べてみると、啓蒙とは「闇を光で照らす、自然科学の発達に伴い、人間の理性を尊重し、自立を促す」という意味なのだそうです。簡単にいうと「もっと勉強をしなさい」ということでしょうか?
17世紀後半から18世紀にかけてのヨーロッパでは、この啓蒙思想が主流でした。
大英博物館の一般公開が始まったのは1759年、まさにこの時代のこと。博物館の設立意図である「人類の英知の蓄積が、物の形で具体的に示されている」という意味で、ルーム1はまさしく最初の部屋にふさわしいといえます。
  
	
    展示室はテーマごとに7つに分割
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            ガラスの展示ケースが並んでいます
		         
	     
一見、ガラスの展示ケースが並ぶだけの地味な部屋ですが、1828年に建設、かつてのキングス・ライブラリーだった場所です。ロバート・スマークが設計したこの場所は、完成以来「イギリスでもっとも美しい回廊」と呼ばれています。
部屋そのものにも歴史的な価値があります。高い天井を赤みがかった花崗岩の柱が支え、その間を大きなガラスをはめ込んだ書棚が並んでいます。天井には、ペパーミントグリーンの美しい装飾が見られます。
両側の壁は天井までガラス張りの書棚になっています。書棚は2階の部分まで続いています。ここには現在、国会議事堂の下院が収蔵していた18世紀の書物が保管されています。
書棚には、本以外のものも展示されています。部屋に置かれている古めかしい展示ケースは全部で24個。様々なものがガラスの向こうに並んでいます。
 
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      
		        
		 
			        貝殻は、当時の人たちが見たことのない貴重なもの
 
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			        「霊魂を呼ぶ」ための石、とありますが…… 
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		            スローン卿が集めた薬の展示
		         
	     
展示物はテーマごとに7つの分野に分けられています。
テーマ『自然界』のコーナーには、貝の標本や鳥の剥製、植物の絵などが目につきます。薬の標本はハンス・スローン卿のもの。大英博物館設立のきっかけとなるスローン卿のコレクションはこの部屋のあちこちに飾られています。
さらに、『考古学の誕生』『芸術と文明』『宗教と儀式』といったテーマの展示が続きます。
中央の展示は「世界を分類する」がテーマとなっています。
グレート・コートに繋がる真ん中の場所には「ペルシャの天測儀」が置かれています。これもスローン卿のコレクションです。
  
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      
		        
		 
			        珍しい植物は細密な絵で「採取」されました 
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			        天測儀だけでなく、天体望遠鏡などの展示も 
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    ロゼッタストーンに触れられます!
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            触ってみるためのレプリカがあります
		         
	     
エジプトの象形文字解明のきっかけとなったロゼッタストーン、大英博物館を訪れた人が必ず見るもののひとつ、ですね。本物はガラスケースに収まって、いつでも大勢の人に囲まれています。
ルーム1では、ロゼッタストーンのレプリカを触ることができます。黒々とした玄武岩の感触とその上に刻まれた3種類の文字。自分の手で文字をなぞると、はるか遠いファラオの時代のエジプトが、身近に感じられるかもしれません。
テーマ『古代の文字」の展示では、象形文字を解明した考古学者シャンポリオンの資料も展示されています。
 
	
    
							 
					
							
		
		
    
      
      
		        
		 
			        学生たちが取り囲んでいます 
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			        見学者が触っていますよ 
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    スローン卿の日本コレクション
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            日本関連としてインク壺が展示されています
		         
	     
様々な収集をしていたスローン卿、テーマ『交易と発見』のアジアコーナーの一角に、日本の由来の品も展示されています。
何に使っていたものなのか日本人のナビにもわからないものさえ並んでいます。「18世紀の日本ってどんなところだったんだろう」と、見学者に疑問を持たせることこそが、このルーム1の意義なのかもしれません。
  
	
    
							 
					
							
        
        
		            
		
		            「ルーム1」の表示はこの説明書きにしかありません
		         
	     
大英博物館のエッセンスと魅力がぎっしり詰まった啓蒙主義ギャラリー、古めかしくてカビくさい物ばかり…なんて思う人がいるかもしれません。でも、博物館が生まれた頃の時代を知るのに必見の部屋といえます。
ひとつひとつの展示ケースを丁寧に眺めていた初老の英国紳士が、とても印象に残っているナビ、皆さんも大英博物館を「さまよう」前にぜひ訪れてみてください。なんて言っても、「1番」がついている部屋なのですから。
以上、ロンドンナビでした。
 
        
        
	        
	          上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
	          記事登録日:2012-04-17