夜行バスでロンドンからパリへ行ってみました!

ロンドンから夜行バスでドーバー海峡を渡ってパリへの旅。飛行機やユーロスターでは得られない楽しみがありますよ。

ロンドン−パリ間を結ぶユーロラインのバス

ロンドン−パリ間を結ぶユーロラインのバス

こんにちは、ロンドンナビです。今日は、ロンドンからフランス・パリへの夜行バスの旅についてご紹介しましょう。「パリなんて、ユーロスターで行ったら簡単じゃん!」というツッコミもありそうですが、「バスの旅にも依然根強い人気」があると聞いたナビ。週末を使って行ってみることにしました。

まず、切符を入手します!

バスが出発するヴィクトリア・コーチ・ステーション

バスが出発するヴィクトリア・コーチ・ステーション

ロンドンとパリの間には1日6~8便のバスが走っています。片道の所要時間は最長で8時間くらい。夜行だけでなく、午前中にロンドンを出発する昼行便もあります。パリ行きへのバスに乗る際は、事前に切符を購入しておきましょう。規定上は当日買っても問題はないのですが、とくに夏季は学生の移動が多く、予約が取れません、また、1週間前までに買うと料金が割引となります。切符は、バスが発車するヴィクトリア駅裏側のコロネーデス・ショッピングセンターにある「ナショナルエクスプレス National Express」のカウンターか、同社のウェブ経由で購入します。

バスのルートに注意!

ドーバー海峡を渡るP&Oのフェリーです

ドーバー海峡を渡るP&Oのフェリーです

島国・英国から欧州大陸にあるフランスへは、どこかでドーバー海峡を渡らねばなりません。バスの時刻表を読むと、海峡を渡る方法として、それぞれの便ごとに「P&O」または「Eurotunnel ユーロトンネル」と表示されています。「P&O」はP&O社のフェリーでバスを航送(航海時間は約90分)。一方の「Eurotunnel」は鉄道用貨車にバスを乗せて、それを特急ユーロスターが走るトンネルを使って対岸まで渡るというものです。切符を買うときにどちらのルートにするか選んでみてはどうでしょうか?(ただし、交通事情により、ドーバー横断の方法が変更されることもあります)

21:30 出発前にチェックイン!

出発案内ボードには「Paris」の文字が!

出発案内ボードには「Paris」の文字が!

バスは、ヴィクトリア駅裏側のヴィクトリア・コーチ・ステーションから出発します。地下鉄駅からは800メートルほど離れています。バス会社からの要請で、出発の1時間前にチェックインをせねばなりません。専用カウンターで、持っている切符をボーディングパスに交換し、パスポートのチェックを受けます。このとき、荷物用のタグをくれますので、バスのトランクに荷物を預ける人はこれを使いましょう。
カウンターには長蛇の列!

カウンターには長蛇の列!

ようやく順番が回って来ました

ようやく順番が回って来ました

出発ゲートの表示を確認して、バスに向かいます!

出発ゲートの表示を確認して、バスに向かいます!

ナビが乗車した日は、大勢の旅行客であふれ、同じ時間帯にバスが3台出発。それぞれどのバスに乗るかが、ボーディングパスに記されていました。チェックインの長い列に並んで、ようやくボーディングパスを手にしたナビ。今度は出発ゲートが開くのを待ちます。バスは自由席(つまり、いい席は早い者勝ち!)な上、ほとんどの乗客が大きな荷物を抱えているので、待合室は大混乱でした。

22:40 バスはいよいよ出発!

バスがようやく動き出しました

バスがようやく動き出しました

出発15分前にようやくバスの座席を確保、車内で出発を待ちます。バスが数台に分かれたこともあり、運転手が何度も人数を確認するなど、出発までちょっと手間取りましたが、なんとか10分遅れでバスが動き出しました。バスはターミナルを出て数分後にテムズ川を渡り、ロンドン南東部を経て、一路ドーバー港へと向かいます。港までは約2時間です。

00:45 船に乗る前にフランスに入国?

バスから降りて、パスポートチェックを受けます

バスから降りて、パスポートチェックを受けます

日付が変わって午前1時前、バスはドーバー港に着きました。ここでは、まず出入国検査が行われます。なお、英国では出国審査が省略されているため、いきなりフランスの入国審査を受けることとなります。カウンターには旅行者に「ボンジュ~ル?」を声をかける係官がいて、ちょっと緊張。ところが、ナビがパスポートを差し出すと「コンバンハ!」とあいさつされ、びっくり。フランスでは日本の「マンガ」が流行っていて、親日家が増えているとは聞いていましたが、いやはやおどろきました。パスポートに「フランス ドーブル」と刻まれたスタンプを押してもらい、バスへと戻ります。

01:20 順調にフェリーに乗れるはずが…

巨大駐車場で乗船までしばし待ちます

巨大駐車場で乗船までしばし待ちます

出入国審査が終わると、バスごと船に乗船するために運転手が船会社との間で手続きを行います。ここで問題が発生!われわれが乗るはずだった船はもうフランスに向けて出発しちゃった!というのです。週末でバス利用の乗客が多すぎて、出入国審査にとまどったため、「出航時間に間に合わなかった」そうで…。次の船まで2時間待て、と言われ、乗客一同がっくり。とりあえず、24時間営業のドライブインのような場所で待つことにしました。
売店では欧州大陸の地図が売られていました

売店では欧州大陸の地図が売られていました

ところが、さらに事態が急変。のんびりお茶を飲んでいたナビのところへ、運転手がやってきて、「すぐにバスに戻れ」というではありませんか。われわれが乗る予定だった船に間に合わなかった乗客や車両がたくさんいることに気づいた船会社はなんと臨時便を手配したのです。席に座るやいなや動き出したバスは、フェリーの中へと吸い込まれました。
駐車場から船へと向かいます

駐車場から船へと向かいます

バスごと船に乗りました

バスごと船に乗りました

02:25 船はドーバーを出港

船内の「駐車場」から、キャビンへと入ります

船内の「駐車場」から、キャビンへと入ります

バスの乗客は、バスから下りてフェリーの船室に入ります。航海時間は90分ほど。乗客は、レストランやバーなど、思い思いの場所でしばし休憩します。
レートが良いのか、両替所は繁盛してました

レートが良いのか、両替所は繁盛してました

船内の施設は意外と充実していて、大きなカフェテリアや、バーが2カ所、ゲームセンターに免税店など、ひととおりの設備がそろっています。P&Oは英国の会社が経営している船なので、船内の通貨はポンドがメーンですが、ユーロも使えます。また、船内には両替所もあり、多くの乗客がポンドからユーロに換金しているのを見かけました。
船の案内所です

船の案内所です

フェリーの平面図が貼ってあります

フェリーの平面図が貼ってあります

カフェのカウンター

カフェのカウンター

カフェテリアも充実!

カフェテリアも充実!

免税店です

免税店です

船会社のグッズも売ってました

船会社のグッズも売ってました

05:00(*) カレー港に入港

カレー港に入港しました

カレー港に入港しました

*時間はフランス時間(=英国時間+1)
フェリーはドーバー海峡を渡り切り、フランスのカレー(Calais)港へと入港しました。船が港に入り停止してから、乗客たちは自分たちがロンドンから乗ってきたバスの席へと戻ります。カレー港からパリへは約3時間の道のり。バスの席にもどるなり、夜行の旅に疲れたナビは深い眠りについてしまいました。
バスに乗り込んでから、しばらくの記憶がありません…

バスに乗り込んでから、しばらくの記憶がありません…

バスは右側を走っていますよ!

バスは右側を走っていますよ!

07:00ごろ バスが大渋滞につかまる

バスの旅は渋滞がつきもの、なのでしょうか?

バスの旅は渋滞がつきもの、なのでしょうか?

高速道路を順調に走っていたはずのバスが停止しました。「パリに着いたのか?」と思って目をさましたナビでしたが、バスはパリの10数キロ手前で渋滞に捕まったではありませんか。なんと対向車線で、トレーラー数台の追突事故が発生。ナビが乗っていた車線は「やじ馬渋滞」だったのですが、事故発生側の車線は1時間以上にわたって動きが取れなくなったもよう。事故はそれほど頻繁に起こるものではないのでしょうが、バスの旅は渋滞がつきもの、ということを改めて思い知らされました。

08:30前 パリ・ガリニエターミナルに到着!

やれやれ、ようやく目的地に到着です!

やれやれ、ようやく目的地に到着です!

バスは渋滞からなんとか抜け出し、予定より1時間以上遅れてパリ東部にあるガリニエ・バスターミナルに到着しました。荷物をピックアップして、運転手に一声かけてバスを離れたナビ。とりあえず、ターミナル内のカフェに立ち寄って、カフェオレとクロワッサンの朝食をとりながら、パリでのスケジュールをおさらいしました。このターミナルは地下鉄駅に直結、バス利用客の市内へのアクセスは万全です。周辺には、比較的エコノミーな宿もたくさんありますよ。
パリの旅はまずクロワッサンでスタート!

パリの旅はまずクロワッサンでスタート!

バスターミナルはパリ地下鉄3号線の駅と直結しています

バスターミナルはパリ地下鉄3号線の駅と直結しています


また、乗ってみようと思ったナビでした

また、乗ってみようと思ったナビでした

この夜行バスは、途中で船に乗るため「ずっと寝ていることができない」ことが難点ですが、ドーバー海峡を船で渡るというイベントが楽しめたのが有意義でした。それより何より、低料金で英国からフランスへ行けるというのが最大のメリットかも知れません。充実感満点の欧州大陸へのバスの旅。今度はどこへ行こうかと早くも検討を始めているロンドンナビでした。

その他情報

*ヴィクトリア・コーチ・ステーションの位置が間違っておりました。申し訳ありません。<2011.8.16>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-08-09

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