コヴェント・ガーデンにある歴史のあるロイヤル・オペラ・ハウスでイタリア歌劇の代表的な名作マダムバタフライ・蝶々夫人を観てきました!
こんにちは!ロンドンナビです。先日、ついにナビはオペラマダム・バタフライ(蝶々夫人)を観てきました。蝶々夫人といえば、イタリア歌劇の代表的は名作として日本でも有名ですね。舞台が長崎ということと、音楽も「さくらさくら」や「君が代」などの旋律が隠されていて、なんだか懐かしいような、日本人には身近に感じるオペラなのでは?
ロンドンの北側に堂々と位置するロイヤルオペラハウス
ピアッツァ広場からの入口
オペラの会場はコベントガーデンの駅から徒歩すぐのところに堂々と一際オーラを放つロイヤルオペラハウス(ROH)。このROHは世界五大歌劇場の1つとして世界に広く知られていますよね。1996年から2000年にかけて大改修が行われ、欧州で最新の設備を誇る歌劇場に生まれ変わったそう。それまでなんとは空調設備すらなかったとか。演劇ファンの間ではオペラ、バレエともに世界最高のレベルを誇る名門の歌劇場として高く評価され、しかも観客席はイギリスの指定建造物!なんだか敷居が高そうですが、思いっきり楽しんできます!
チケットの購入方法
中央玄関の横のもう1つの小さな入口から入るとチケット窓口(ボックスオフィス)につながります。
今回ナビが観たマダムバタフライは大人気で、この日は当日券も入手困難だったよう。演目や日によっても人気にバラつきがあるみたいですが、当日券は値段が上がるので、ナビは通常公式のホームページで数ヶ月前に予約。時々売り切れだった席が一気に空くこともあるようなので、本当に行きたい演目が売り切れ状態であっても、ホームページ上で毎日チェックすることをオススメします。また旅前に予約して郵送してもらうよりも、当日チケット窓口(ボックスオフィス )で受け取るようにしておいたほうがよいかも。
気になるドレスコードは・・・
中央入口に入ってすぐ赤い絨毯がゴージャスです
オペラハウスと聞くと見事に着飾った人たちの集まり、というイメージがありますが、ナビが見たところ、男性はタキシード、女性はドレスと「さすが格式の高いオペラハウスならでは」の装いの人は実は少数で、デニムをシャツや革靴で普段の装いをすこしドレスアップした人や、さらっとした身なりの学生風の人の方が多かったよう。意外と肩の力を抜いて、極端なカジュアルでなければ大丈夫な感じでした。年齢層も老若男女さまざまで、この日ナビがエレベーターが一緒になった年配の女性はアジア風デザインのロングワンピースに大きな真っ赤なピアス、髪にはかんざしを刺し、おもいっきりマダムバタフライを意識した装いでしたよ。ナビも洋服でも場を楽しみたいと思い、この日は古風なアジアをイメージさせる大きな花柄の入ったシルクワンピースを着用。こんな機会だから少しドレスアップするのも楽しいですね。
館内めぐりも楽しい。
開演は7時半からですが、2時間近く前から場内に入ることができます。メインエントランスを入ってすぐの所には古い豪華な衣装が展示され、チケットオフィス周辺にもアーティストの舞台写真が飾られています。そんな展示をじっくり見ながら館内へ入って行きます。館内には沢山の素敵なレストランやバーがある中、必見はフローラルホール。昔ここはマーケットだった場所で、名前からも分かると通り、花を売っていた場所。今回の大改修で歌劇場の一部として取り入れられたんですって。だから屋根が高く、窓も昔の形がそのまま残されています。こちらはドリンクを飲む人たちで開演前は大賑わい。高い天井に人々の声が響き渡ります。ショップはこじんまりしていますが、CDや本から洋服まで揃っていて記念の品を選んでみてもいいかも。
主な登場人物を紹介します
ではちらりと主な登場人物を紹介しましょう。男女関係の気持ちが入り乱れ、アメリカと日本の文化のギャップもある意外と複雑なストーリーですが、登場人物の役柄も役柄を象徴する見た目もはっきりと分かりやすくて、似たキャラクターが他にもいてあれ?この人はどっちの人?なんて迷うこともなくとても見やすかったです。
主な登場人物
● 蝶々さん(蝶々夫人)・・・物語の主人公。芸者で15歳
● ベンジャミン・フランクリン・ピンカートン・・・海軍の任務で長崎に滞在
● シャープレス領事・・・駐長崎領事
脇役とされる登場人物
● ヤマドリ公爵・・・ピンカートンがアメリカに帰ってから、蝶々さんに結婚を申し込んだ
● ゴロー・・・結婚斡旋屋
● ボンゾ(蝶々さんのおじ)
● スズキ・・・蝶々さんの下女
● ケイト・ピンカートン・・・ピンカートンがアメリカに帰ってからの結婚相手
簡単なあらすじ
19世紀末の日本・長崎。海軍士官のピンカートンは、斡旋屋のゴローが仲介した15歳の芸者蝶々さんとの「結婚」を控えていました。でも蝶々さんの一途さを知っているアメリカ領事のシャープレスは、ピンカートンの軽薄さを危しんでいました。でも蝶々さんはピンカートンに夢中。彼女の改宗の事実を知った親族一同は蝶々さんとの縁を切ってしまいます。悲しみもつかの間、ピンカートンは任務を終えアメリカに帰ることに。蝶々さんは3年もの月日を彼の帰りを信じ待ち続けます。しかし、ようやく戻ったピンカートンは、アメリカ人の妻を連れていました。ピンカートンとの間にできた子供を渡せと迫られ、観念した蝶々さんは自決する、という気の毒なお話。
気になる言語のバリア
気になるのは言葉。物語を理解できるかな?というところ。マダムバタフライはイタリア語でしたが、舞台の上の電子文字盤や、席によっては、文字盤が手前にあり、英語で訳が流れています。シンプルな短い文なので、映画のようにセリフを読んで追いかけるということはないのでご心配なく。観劇前にあらかじめのストーリーを把握していれば、十分楽しめると思います。
きょろきょろ
オーケストラ
いよいよ開演!!きょろきょろしていると、下にオーケストラが見えます。オペラと生演奏のクラッシックが一緒になって、なんて贅沢!オペラ初心者のナビ、なのに下調べもしなかったのですが、あまりにも音楽が気に入ってしまい、聞くところによれば、音楽はあの有名なプッチーニ作。ドラマティックで、どこか懐かしい感じで、ブラボー!
インターバル休憩
天井も引く目の隠れ家のような部屋
1幕目が終わったあとの幕間は人びとが一斉にバーに殺到し、行列ができます。ふつうはバーカウンターに並んで順番に飲み物を買うのですが、サンドウィッチなどのスナックとともに飲み物を事前予約するシステムもあるようです。今回、ナビは幸運なことにプライベートダイニングルームでみんなでごはんを持ち寄り、シャンパンを飲みながらインターバル時間を過ごしました。
ナビはお蕎麦の香草サラダをつくりました。
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開演前に早めに来ていないと、休憩時間のみだとゆっくり食べられません!
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なりやまない拍手と正直な観客
「マダムバタフライ」は3幕編成の合計2時間50分、途中のインターバル休憩が1回で25分。上映が長すぎると言われているみたいですが、心地良くなる音楽と薄暗い会場内で、眠くなる暇もなくあっという間に時間は過ぎていきました。蝶々役の歌手にとっては終始出ずっぱりで歌のパートも長く多く、また若く愛らしい娘の役であるにもかかわらず、プッチーニのソプラノの中でも特に歌唱力を求められ、『ソプラノ殺し』の作品とも言われているそう。その大役をやりきったからか、蝶々さん役の歌手はうるうるしながらの挨拶。ものすごい拍手と声援でした。それを観てナビもついもらい泣き。でも挨拶の時にブーイングされていた海軍の歌手がいました。声援を飛ばすオペラ上級者は、蝶々さんにひどいことをした彼のキャラクターにブーイング、なんてことはしないそうで、彼の歌唱力が全くもって「ブー」だったご様子。さすが、ロンドンの観客は厳しい!一人ずつの俳優陣の挨拶のあと、オーケストラの指揮者、最後にプロデューサーまでもみんな揃ってお辞儀するのを見てまたまた大声援。ストーリーを歌とオーケストラでここまで表現して深い物に創り上げるオペラの凄さに感動です。
観客席から外へと向かう人びとはみな満足そう。バレエ終演後の足ですが、この時間帯はまだ地下鉄もあります。バスも24時間運行しているし、コベントガーデンという場所柄、どこへ行くのもすぐにバスが見つかるかと思います。またタクシーは繁華街なので、たくさん空車が走っていますよ。
ナビは観劇後、じーんと余韻にひたり、こんなにオペラやバレエが身近にあるロンドンでもっと観なきゃと思いました。イギリスの歴史を感じさせる建造物での、素晴らしい音楽に演劇と終始感動させられることでしょう。是非ロンドンにお越しの際はオペラに足を運んでみてくださいね。以上、ロンドンナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-07-05