世紀の大パーティー!ロンドン五輪、無事閉幕

巨大なパーティーと化した、ロンドン五輪が閉幕しました。

こんにちは!ロンドンナビです。
17日間にわたって開かれたオリンピック「LONDON 2012」が8月12日、幕を閉じました。
大会期間中は、観戦した競技やメーン会場となったオリンピックパークの様子などを毎日「ほっとロンドン」でお伝えして来ましたが、その時書き切れなかったさまざまなエピソードを改めてまとめることにしました。

8/9 「なでしこジャパン」の決勝戦

男女ともに決勝リーグに残ったサッカー日本代表。中でも女子代表「なでしこジャパン」は、決勝戦まで勝ち進む快進撃を見せました。
ナビは「なでしこは絶対に決勝に行く!メダルを獲る!」と信じ、半年以上前から決勝戦のチケットを確保。祈る気持ちで戦いの行方を見守りました。そして準決勝でフランスを破り、ついにアメリカとの決勝の舞台へ。長い間待ち続けた甲斐がありました。
当日は試合時間よりかなり早めに会場のウェンブリー・スタジアムに到着。正直なところイギリスでは女子サッカーはあまり人気がないのですが、駅に着いてびっくり!改札口からスタジアムまで約1キロの間が「人」で埋め尽くされているではありませんか?
試合は満員の観衆8万人が見つめる中で行われました。女子の試合の観客数では世界記録だったそうです。それにしても驚いたのは、振られた日の丸が多かったこと。軽く1万人は下らない日本人が応援へと足を運びました。
試合の結果は言うまでもなくアメリカが勝ちましたが、表彰式に現れた「なでしこ」の選手たちの清々しさは強く心に残っています。

町に溢れたユニオンジャック

6月初めに行われたエリザベス女王在位60年記念行事「ダイヤモンドジュビリー」。この時、イギリスではありとあらゆるところに英国旗「ユニオンジャック」が溢れました。「もうしばらくこれを見るのはいいや~」なんて思っていたのもつかのま、五輪期間中はさらにおびただしい数のこの旗にお目にかかることとなりました。
背中に旗を巻き付けて歩く人たち、フェイスペイントにも様々なユニオンジャックが登場。目立ったのは傘、普段は突然の雨に観光客が慌てて買うような(あまり格好よくない)青と赤の傘も立派な応援グッズになっていました。
ユニオンジャックの鍋つかみをはめてスタンドで手を振る人、全身がユニオンジャックになるツナギ服、レギンスもユニオンジャック柄、上品なマダムの襟もとをよく見ると、スカーフがユニオンジャック。
子供たちが本当にうれしそうにこの旗を振って応援する姿、目に焼き付いてます。

8/10 陸上観戦でスタジアムへ

期間中、メーン会場の五輪パークへは何度も足を運んだのですが、ようやくスタジアムに入れたのは会期も後半、14日目の夜でした。この日は男子400m(4×100m)リレー予選のほか、1600m(4×400m)リレー決勝、男子棒高跳び決勝などが行われました。
スタジアムに入って、観客の盛り上がりと建物の美しさに改めて驚嘆。遠くの方では聖火も燃えています。これまで、さまざまな競技をあちこちの会場で見てきましたが、やはり「オリンピックの王道は陸上」であることを改めて思い知らされた気がしました。
この日、ナビは「400mリレーにあのボルト選手が登場するのでは」とが楽しみにしていました。ところが、予選への出場を回避。世界一の走りを見ることができずちょっと残念。その代わり、というのもおかしいですが、女子400mリレー決勝では、アメリカチームが41秒を切る驚異的なタイムで世界記録を27年ぶりに書き換える快挙! 「NEW WR」という電光掲示を見ることができたのは幸運でした。

観客は間違いなく世界一!

男子1600mリレーの決勝では、イギリス選手「チームGB」も出場しました。
この時の地元選手に対する観客たちの歓声は、今まで経験したことのない音と大きさ。「これが本当に人間の声なのか?」と思わせるほどでした。
自国への応援に熱狂するイギリス人。でもきちんと他国のアスリートにも敬意を払います。特に、中距離競技で周回遅れになったりする下位の選手にも、心から惜しみない拍手を送ります。
「GB!」の大合唱の中に日本人の一人として座っていても居心地が悪いことは全くありません。選手たちにも負けないぐらい観客たちが一生懸命。そしてそこにいる誰もが真剣に競技を見て、楽しんでいます。スポーツ観戦の態度のすばらしさはほれぼれしました。
そしてこの観客の応援がイギリス選手たちの大活躍につながったのは間違いないでしょう。金メダルの数は、前回の北京を10個も上回る29個に達しました。

大会を支えたボランティア

ロンドン五輪は「ゲームメーカー」と呼ばれた7万人のボランティアたちに支えられました。ナビも、会場に行くたびに大勢のボランティアに声をかけられ、ハイタッチをし、時には一緒に大合唱をしました。
『良いひとときを」「すてきな時間を」「楽しんできてね」「笑って~」
たとえ英語がわからなくても、ボランティアたちの温かい心を感じることが何度もありました。また、ボランティアの服と、メダルを下げるリボンの色は同じだったのですよ。
閉会式でIOCのロゲ会長が、ボランティアに対する感謝と賞賛の言葉を述べると、拍手がしばらく鳴りやまなかったことに改めて感動を覚えました。

興奮が止まないオリンピックパーク

今回の五輪の競技施設は、予算の都合で町中にある既存施設を多用して実施されました。そのため、オリンピックパーク内に新設された施設はスタジアムの他、数カ所と「ちょっと控えめ」にとどまりました。
それでもパーク内は連日10万人を超える観衆が大騒ぎ。競技を見終わった観衆はすみやかに帰路につくのかなと思ったら、そのままパーク内に残り、大画面で別の競技を楽しんだり、広場で写真を撮り合ったりと全く帰る気配はなし。
ナ ビは、パークのあの熱気と楽しさをうまく伝えることが出来ません。あまりに楽しくて、帰るのがイヤになって、ずっとここにいたいと思ったほど。何度出かけ ても興奮してテンションがあがってしまうのです。「4年に1度の行事だから」なのでしょうか? 同じような写真を何度も何枚も撮ってしまって、それでもま だ足らない気がするのです。帰りのゲートをくぐる時、いつも文字どおり後ろ髪を引かれる思いでした。
BBCはパーク内のスタジオから毎晩、五輪のハイライトを生中継しました。このスタジオの外には選手の登場を待つ人々で溢れ、まるで観客席にいるような騒がしさ。連日、放送が終わる0時過ぎまで大いににぎわいました。

そして閉会の8/12、マラソン観戦へ

あいにく閉会式のチケットは入手できなかったナビ。当日朝に行われた、男子マラソンの応援のため、町へと繰り出しました。ロンドンでは毎年、市民マラソンの元祖ともいえるロンドンマラソンが東部で行われるのですが、五輪のコースはそれとは全く違う「市内の観光名所めぐり」というルートが設定されました。
当日の天気は晴れ、気温22-24度とちょっと暑かったくらい。テレビを通して、美しいロンドンの風景が世界中に配信されたことでしょう。
早朝から沿道には応援の人々が詰めかけました。ただ、地元の人々は「テレビ観戦疲れ」だったからか、出足が悪かったのが意外でした。今回のマラソンでは、同じ場所を3周するコース設定となったため、観戦客にとってなかなか「お得」なものとなりました。ナビはセントポール大聖堂前の一角を陣取り、日の丸を沿道に下げて応援。エントリーした3選手に思いが伝わったでしょうか。

そして閉会、五輪はリオデジャネイロへ

今回の五輪で、改めて思い知らされたのは、イギリス人の「もてなしの心」のすばらしさでした。普段は、冷淡でツンとすましていてとりつくしまもないような人も多く見かけるのですが、それは大きな誤解。困っている人への手の差し伸べ方は、ほれぼれするものでした。それは大会を支えたボランティアだけでなく、観客や市民の間にも意識が徹底、だれもが気持ち良く「五輪開催地ロンドン」の滞在を心から楽しめたのではないでしょうか?
BBCの映像より

BBCの映像より

大会中は交通機関が大混雑し、都市機能が破たんすると言う心配さえもあったのですが「こういうときにこそ協力する」市民のおかげで、大過なく終えられたことも特筆すべきでしょう。
女王がジェームスボンドと一緒に空から降りて来たあの開会式にも増して、閉会式は「イギリス文化」を強く心に刻ませるものとなりました。ビートルズにクイーンと、懐かしの音楽がつぎつぎと繰り出され、私たちが知っている音楽や物語のあれもこれもが「英国由来」だったことを驚いた人も多かったのでしょうか。
五輪旗は無事に次期開催地、リオデジャネイロへと引き継がれました。でも、五輪でロンドンに培われたおもてなしの心は不滅だと信じています。
以上、ロンドンナビでした。




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記事登録日:2012-08-17

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