■ロンドンの気候、季節

意外と晴天が多い「霧のロンドン」

こんなにひどい霧の日も

こんなにひどい霧の日も

「霧のロンドン」とか「雨のロンドン」と言われ、とかく天気は悪いと思われがちですが、意外と晴天の日も多いんですよ。
BBCテレビの天気予報をよく見てみると、晴れマークや雨マークは出てきません。明日の予報は「コールド」とか「ウォーム」、「グレー」とか「サンシャイン」、「シャワー」とか「スノー」などという単語が画面に並ぶだけ。あとは気圧や雲の動きをみて、だいたいの天気を予想するしかありません。英国の天気は「1日のうちに四季がある」と言われるほど変化が激しいので、「明日は晴れ」とは簡単には言えないのです。朝は快晴だったのに、お昼前にもうどしゃぶりなんてこともよくあります。
3月中旬の空はまだこんなに暗い

3月中旬の空はまだこんなに暗い

<春(4〜6月)>
3月の最終日曜日の明け方に夏時間が始まります。その直後から日差しも明るく待ちに待った「春」がやってきます。
4月中は、風が冷たかったり明け方に冷え込んだりすることもありますが、日中の気温は12度から16度くらいまで上がります。上着や場合によってはコートも必要ですが、冬の間お世話になった分厚いセーターなどはいらなくなります。
初夏の陽気はこんなかんじ

初夏の陽気はこんなかんじ

「4月の雨が美しい5月をつくる」というイギリスのことわざがあります。 5月には晴れ渡った空をぽかりぽかりと雲が流れていきます。上着を脱いで、気の早い若者はTシャツ1枚で過ごします。昼間の気温は15度を下回ることがなくなりますが、6月に入っても夕方から暗くなったあとは、軽くはおるものが必要です。
8月中旬の晴天の日

8月中旬の晴天の日

夏の夜には野外コンサートの楽しみも

夏の夜には野外コンサートの楽しみも

<夏(7〜8月)>
日中の気温は20度を越え25度近くに達しますが、湿度が低いので蒸し暑い日本の夏を知っているナビには全く物足りないくらいの暑さです。風が吹いたり木陰に入ったりするとひんやりします。大きな公園はもとより、ちょっとした芝生のあるところで、人々は日光浴をします。夏に入ると、ランチを公園で食べる人も増えてきます。
個人差もありますが、ロンドンの夏は長袖のシャツで充分過ごせます。ただ、日差しは結構強いので、サングラスや日焼け止めは必須です。

夕焼けが夜の8時半、その後もいつまでも真っ暗にならない夏の夜はついつい遅い時間まで外で遊んでしまいます。
ところで、ロンドンの一般家庭や公共の乗り物にはクーラーがありません。それでも夏を過ごすのに不便は感じないでしょう。ただ、地下鉄の車内は空調も悪く、とても蒸し暑くなります。ロンドン交通局では数年のうちに冷房付き地下鉄を導入するという目標を立てましたが、実際に走り出すのはまだ先の話しになりそう。当分はうちわやペットボトルの水持参でしのぐしかなさそうです。
<秋(9〜10月)>
学校の長い夏休みも終わり、9月の新年度が始まるころには、太陽の光もぐっと穏やかになります。9月の後半には、公園の木々や街路樹も色づきはじめ、なごりを惜しむように、ベンチでひなたぼっこをする人々も見かけます。
10月に入ると、あっという間に日中の気温が下がり、10度前後にしかなりません。ブルゾンやセーターが欲しくなるのもこのころ。10月最終日曜の夏時間から冬時間へ変わる頃にはすっかり日も短くなります。
冬には自然史博物館前にスケートリンクが作られる

冬には自然史博物館前にスケートリンクが作られる

記録的な大雪が降った2月のロンドン

記録的な大雪が降った2月のロンドン

冬(12月)のいでたちはこんなかんじ

冬(12月)のいでたちはこんなかんじ

<冬(11〜翌年3月)>
11月に入ると、木々の葉っぱが地面に落ち始め、かさかさ枯葉を踏みながら公園を歩いているとえさを探すリスに遭遇したりします。すっかり木の葉が落ちる11月の後半から、どんよりとした重たい天気が続くようになります。この時期には手袋やマフラー、場合によっては毛糸の帽子、そして厚い上着が必要です。英国では毛織物のオーバーコートを着る人が多く、ダウンジャケットを着る人はあまり見かけません。バーバリーやアクアスキュータムなどの地元高級ブランドのコートを着る人は金融街のシティーなどで多く見かけます。女性のロングブーツも必需品です。

クリスマスツリーに灯がともる12月に入ると、日も短くなって午後3時を過ぎると薄暗くなります。冬至ごろの日の出は8時ごろ、日没は午後4時頃と、お日様が出ている時間は極端に短くなります。クリスマスから1月末にかけてはもっとも寒い時期です。日中の最高気温が0度を下回ることはロンドンではあまりありませんが、風は突き刺すように冷たく感じます。とても乾燥するのでハンドクリームやリップクリームが手放せません。また、統計的には雪がたくさん降って積もることはそんなにはありませんが、ひとたび10cmを超える積雪があると、バスが全線運転中止になったりします。

2月の中旬に入り、公園の芝生からクロッカスの黄色や紫の花が咲き始めるのを見かけると「もうすぐ冬が終わる」とわくわくします。ラッパ水仙が花屋で売られ始めるとロンドンの春はもうすぐです。

ロンドンの気候は、年間を通じて日本よりちょっと涼しい(寒い)と思えばだいたいOK。そしてもしも、着るものが足りなかったら、現地のお店で簡単に補充できます。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-04-28

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