ロンドン東部にあるウォーターフロント、新金融街のカナリー・ワーフへ行ってみました。高層ビル群の眺めが新鮮です!
テムズ川から見たカナリー・ワーフ
こんにちは!ロンドンナビです。今日はロンドン東部にある、ウォーターフロントの再開発地域カナリー・ワーフ(Canary Wharf)に行ってみましょう。ここは欧州最大の超高層ビル街、英国の摩天楼、といったところでしょうか? レンガ造りで100年くらい昔の建物はあたりまえのロンドン。カナリー・ワーフでは、どんな風景が見られるのか楽しみです。
カナリー・ワーフへの船が出るエンバンクメント埠頭
まず、市内中心地からテムズ川のフェリーでカナリー・ワーフへ向かうことに。なぜかというと、このカナリー・ワーフは1800年代初めから1950年頃まで、英国の港湾産業を支えた世界有数の商業埠頭だったからです。船に乗ってみてちょっとその時代に思いを馳せよう…と考えました。その当時建てられた倉庫群がまだテムズ河の両岸にたくさん残っていますよ。
テムズ・クリッパー(高速船)でカナリー・ワーフに到着!
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市内からはジュビリー線でも行けますよ
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■何もかもが斬新な高層ビル群
カナリー・ワーフを代表する3本の高層ビル
このカナリー・ワーフ、地図を見ると周りはテムズ川に囲まれています。「舌」の形をした半島のように南に大きく突き出しているのですが、その昔、これを細長い島と見立てたことから、いまでもこの一帯は「Isle of dogs(Isleは島の意味)」と呼ばれています。
ジュビリー線のカナリー・ワーフ駅
船が着く埠頭は北西の端にあります。埠頭のすぐそばにはリバービューが堪能できるホテル、フォーシーズンズ・ホテルがあります。また、半島の付け根には地下鉄ジュビリー線のカナリー・ワーフ駅と、そして真ん中を横切るようにDLR(ドックランド・ライト・レイルウェイ)の3つの駅(ウエスト・インディア・キー駅、カナリー・ワーフ駅、ヘロン・キー駅)があります。
DLRカナリー・ワーフ駅への入口
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この電車で、金融街シティへ約15分
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■埠頭から南に向かって歩きます
お昼には公園でランチを食べる人も
では、埠頭から南に向かって歩きはじめましょう! きれいな並木道です。
ビルのてっぺんが見えてきました。英国の3大高層ビルの3本ともがここに並んでいます。 一番高いのがピラミッド型の屋根を持つワン・カナダ・スクエアで高さ235メートル、 その左右にHSBCタワーとシティ・グループ・センターという2本の銀行のビルがあります。 なんだか近未来の都市のよう、周りにまったく「古い」建物がなく、英国ではとても珍しい光景です。噴水や樹木もありますが、やっぱりぴかぴかしていて、「最近のもの」といった雰囲気です。ナビの頭に思い浮かんだのは香港の金融街「セントラル」ととても似ているってことです。そしてナビと同じようにビルの建物にカメラを向けている人の姿もちらほら…こんな風景を初めて見る人も多いようです。
ビル街を見上げるとこんな感じ
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このエリアには意外と緑も多いんです
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金融街のあちこちに道標が立っています
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迷ったらこの地図で確認を!
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■ここでちょっと寄り道を……
ドッグランズ博物館は、昔の倉庫の建物を使っています
本格的にビル街を歩く前に橋を渡って、DLRウエスト・インディア・キー駅のほうへ。ここにはこのエリアの発展の歴史がわかる博物館「ドックランズ博物館(Museum in Docklands)」があります。最上階の3階から歩き始めると古い時代からの歴史が年代順にわかるようになっています。
ドックランズとは、その昔、ロンドンの港湾機能のほぼすべてをこのエリアで担っていたことからその名があります。英国の海運の中心地だったこの辺りは第2次大戦の末期、ドイツ軍の空爆によって壊滅的に破壊されました。そして1950年代以降には、コンテナによる海上輸送に対応できなかったことがさらに致命傷となり、1980年にはすべての施設が閉鎖、廃墟となってしまいました。 1981年にロンドン・ドックランズ再開発公社によって開発が始められ、今のような姿に生まれ変わることとなりました。
カナリー・ワーフの代表的な風景、時計が何本も立つロイター通信横の広場
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2階建てバスも走りますが、市内中心部へ行くバスは1系統のみです
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これはクレディ・スイスのビル
もともとロンドンにはシティ(The City)という古くからの金融街があります。しかし、シティにある古くからのオフィスは床面積の狭いものがほとんどで業務に不便と考えた大手銀行などが、大きなフロアを持つ大規模オフィスの建設が望んだことが開発を後押ししたといいます。その一方で、地元の人びとはここに高層ビルができることを大反対。「コミュニティーが死ぬ」と書かれた棺桶を持ってデモ行進をしたといいます。
いまでは、地元の大手銀バークレイズや、米シティ・グループやモルガン・スタンレー、クレディ・スイスなど、世界中に知られる大銀行が競ってこのエリアに拠点を構えています。 また、金融機関だけでなく、数多くの出版社や新聞社のオフィスもシティのフリート・ストリートから移転。カナリー・ワーフ駅上の広場横には、ロイター通信のロンドン拠点があります。
■再びビル街の散策へ
西側から見たビル「キャボット・プレイス」
ビル街に戻ってきました。DLRカナリー・ワーフ駅の隣りには、古めかしい外観がすてきな建物「キャボット・スクエア」があります。ここのアーケードの感じは少し前の時代風に建てられています。ランチタイムにこのあたりを歩くと、銀行マンや商社マンであふれかえります。
ランチのサンドイッチやお寿司!を買った人びとが向かう先は、地下鉄のカナリー・ワーフ駅の真上に作られたきれいな噴水と緑の公園「ジュビリー・パーク」です。ベンチに座ってちょっとひと休み。ビル街のオアシスという雰囲気、春には桜が咲き、お花見も楽しめます。
3本の超高層ビルに囲まれた一角には、広場「カナダ・スクエア」があります。ここには夏の間はジャズフェスティバルやコンサートなどが行われる野外ステージが、また、冬にはアイススケートリンクが設置されます。
カナダ・スクエア・パークにある青い屋根のオブジェの下をのぞくと…
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地下街が上から眺められます
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地下鉄駅の上にあるジュビリー・パーク
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冬のカナダ・スクエアにはアイススケートリンクがつくられます
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夜景の美しさもなかなかのものですよ
いわゆる古い建築物が立ち並ぶロンドンの典型的な風景とは全く異質な雰囲気を持つカナリー・ワーフ。ここはまさに、21世紀の世界の金融・経済の中心地であることは間違いありません。市内にある博物館や史跡などももちろん見逃せませんが、ロンドンの新しい姿をこの目で確かめるためにも、このエリアにぜひ足を延ばしてみてはどうですか?以上、ロンドンナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-01-11