何よりも詳しい「オリンピック・パーク」徹底ガイド!2012

ナビが一足先に五輪メーン会場を総チェック!パークの全貌をお伝えします。

リー川とスタジアム

リー川とスタジアム

こんにちは!ロンドンナビです。
日本でもオリンピックへの出場選手がつぎつぎと決まっているようですね。
こちら、ロンドンでは開幕に向けての準備も最終段階に入っています。
ナビは、開幕より一足早く読者の皆さんに、五輪のメーン会場とも言える「オリンピック・パークの内部」をお見せしましょう。
何よりも詳しい「オリンピック・パーク」徹底ガイド!
どうぞ最後までお付き合いください。

もとは工業地帯でした

見事な公園として再生されました

見事な公園として再生されました

五輪開催に備え、ロンドン東郊外の工業地域を再開発。2.5平方キロの公園に生まれ変わりました。もともと数多くの廃棄物処理施設が並んでいたこのエリア。50本以上あった送電用の鉄塔を撤去、土壌を除染し、公園として造成されました。もっともたいへんだったのは、パーク内を流れる自然の川(リー川 River Lee)の掃除だったそうです。ありとあらゆるゴミが流れたり沈んだりしていて(スーパーの買い物用カートや洗濯機とかもあったそう……)それらの処理に苦労がありました。いまでは、見事に浄化された川がパークの中心を流れ、もともとこういう自然環境だったのかと思い込んでしまうほどです。
ちなみに、開会式のテーマは「驚きの島々」。汚染された工業地帯を再生していく物語を展開するそうですよ。

パークの中には競技施設が8つ

パークの中には、メーン競技場ともいえる「オリンピック・スタジアム Olympic Stadium」をはじめ、計8つの競技施設が建てられています。ところがうち半分は仮設のもので、終了後に残るのは4つのみとなります。選手村も一般住宅にと生まれ変わる予定です。閉幕後はクイーン・エリザベス・オリンピック・パークと改称されます。
また、スタジアム横には会場でひと際目につく赤色のオブジェ「オービット Orbit」が建っています。さすがにスカイツリーほどには高くありませんが、それでもエッフェル塔並みの高さはあるとか。会期中はパーク内の競技観戦チケット(またはパークのみの入場券)を持っていれば追加料金で入ることができますよ。
これがオービットです!

これがオービットです!

真下から見るとこんな感じ

真下から見るとこんな感じ

パークへの主なゲートは2カ所

ストラットフォードゲートのあたり

ストラットフォードゲートのあたり

パークへの入口は、セキュリティ検査の都合もあり、主要なゲート2カ所から入ることになります(団体用に別のゲートもあります)。地下鉄などの乗り物でパークへ来た人は、「ストラットフォードゲート Stratford Gate」もしくは「グリーンウェイゲート Greenway Gate」のどちらかから入場しましょう。組織委員会によると、グリーンウェイゲートのほうがきっと空いているという話しです。
予行演習の際には、ゲートに空港スタイルのセキュリティチェックポイントが設けられていました(本番も同様の検問スタイルとなるようです)。警備や検査を行っているのは英国軍のようでした。面倒なのは液体物は100cc以内しか持ち込めないこと。「水も持てないのはおかしい」との反論も出ていますので、最終決定が待たれるところですが、テロ対策で厳しい判断がなされるものと思われます。
具体的な行き方については、ナビがまとめた「オリンピック会場への行き方ガイド」を見てください。
グリーンウェイゲートのあたり

グリーンウェイゲートのあたり

グリーンウェイゲートの横にあった<br>「奇妙な塔」。これはいったい?

グリーンウェイゲートの横にあった
「奇妙な塔」。これはいったい?

ゲートに入ると、ピンクの看板がお出迎え

ストラットフォード駅から、ショッピングモール「ウェストフィールド・ストラットフォードシティー Westfield Stratford City」の横を抜け、ゲートへと向かいます。検問ではやはり時間がかかり、腕時計やベルトも外して検査を受けるよう言われました。
なんとかチェックを終えて、ずんずんとパークの中へと進みます。すると、水泳会場の前にショッキングピンクに白字で「Welcome to Olympic Park」と書かれた看板を見つけました。やっとオリンピックパークに入った!ということが、この看板の前に立って実感できました。ずっと「柵の外から見守っていた」ナビにとって、中に入れてとても感動!ちょっと意外ですが、この看板のピンク色が会場では映えます。

ざっと会場を歩きましょう!

アクアティクス・センター

アクアティクス・センター

オリンピック・パーク、というくらいですから広大なものを予想していましたが、ナビの印象では「決して広くなく、コンパクトで、歩いて回れる」くらいの広さです。
ストラットフォードゲートから入ると、最初に目に入るのは水泳会場の「アクアティクス・センター Aquatics Centre」です。ここでは、水泳(競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング)と、近代五種(水泳)が催されます。北島選手の活躍も期待したいですね。「エイのひれ」と呼ばれる「長い舌」のように突き出した部分が印象的。会期後はスタンドの一部を取り壊すなどの改装を経て、コンパクトな競技場になります。水泳会場の右側には水球専用のプール「ウォーター・ポロ・アリーナ Water Polo Arena」があります。こちらは終了後取り壊される予定です。
水泳会場、別の角度から

水泳会場、別の角度から

ウォーター・ポロ・アリーナ

ウォーター・ポロ・アリーナ

パークを北に進むと…

ロンドンウェイはこのあたり

ロンドンウェイはこのあたり

水球会場を右手に見ながら、川沿いに北へと向かいます。丘を上がるようにして進むと、地面にカラフルな円の模様が描かれている広場がありました。ここは「ロンドンウェイ London Way」と呼ばれる部分で、近くには日本のパナソニックが3Dシアターを設ける予定です。観戦競技の前後に時間があったら、ぜひのぞいてみてください。
カッパー・ボックス

カッパー・ボックス

ロンドンウェイを通り越した西側には、茶色の壁面を持つ箱のような建物が見えて来ます。これはハンドボールが行われる「カッパー・ボックス Copper Box」です。茶色の壁面は実は銅(カッパー)だったんですね。この建物は閉会後も残りますから、時代を経るにつれ、壁面の色も変わって行くことでしょう。ここではハンドボールの他、フェンシングも行われます。

おっと、見慣れたものがありますね?

巨大なマクドナルド、1度に数千人収容?

巨大なマクドナルド、1度に数千人収容?

カッパー・ボックスのちょっと北に目を移すと、見慣れた看板が目に入ります。そうです、マクドナルドがあるのです。見学会で聞いた説明によると、このマック(マクド)は世界最大級の規模があるとか。価格も市内と変わらない水準、という話しですが果たしてどうなることでしょう? こちらも時間があったらぜひのぞいてみてください(5月の予行演習の際はまだ工事中でした)。

周辺は緑あふれる公園に

公園としても見事です

公園としても見事です

メーンスタジアムを背中にこの辺りまで歩くと、右側には緑が美しい公園が広がります。会期中には、川の中に巨大画面が建てられるそう。ここでライブ映像を見ながら応援をするという趣向だそうです。ただ、公園に入るのにもチケットがいるのですが……。
遠くにホッケー場が見えます

遠くにホッケー場が見えます

さらに北に進むとホッケー会場の「リバーバンク・アリーナ Riverbank Arena」があります。2つのホッケー場があり、ひとつは本番用、もうひとつは練習用です。ここの「こけら落とし」には、なんとあの「ケイトさん(ケンブリッジ妃)」が登場。学生のころホッケー部のキャプテンだったケイトさんは楽しそうにゴールに向かってシュートを決めていましたよ。

東の方にも競技施設が見えています

リバーバンク・アリーナを背中に東の方を仰ぐと、丸いお椀をつぶしたような建物が見えて来ます。そちらのほうへ向かってみましょう。
庭園として整備された場所を抜けて行くと、本当に自然の中にいるかのよう。とても「除染して作り直したもの」とは思えません。そして芝生のなんと美しいこと。川の両側に造られた遊歩道には、たくさんの木も植えられています。緑、公園…充分に手が入っているのだけれど、決して人工的ではない自然、さりげなく置かれたベンチ……。
英国人がこよなく愛する景色です。それがこのパークのいたるところに広がっているのです。川沿いに湿地帯まで作ってありますから、季節によっては渡り鳥がやってくるのかもしれませんね。

橋を渡ってベロドロームへ

近くから見たベロドローム

近くから見たベロドローム

「お椀をつぶしたような建物」に到着しました。ここは、「ベロドローム Velodrome」と呼ばれる、自転車トラック競技の施設です。地元の人は、成型されたポテトチップスの名を取って「プリングルス」と呼んでいます。日本のケイリンも種目となっていますが、イギリスはトラック競技に絶対的な自信を持っており、今大会でもメダルを量産することでしょう。施設は大会後も残されます。ベロドロームの奥には「BMXトラック BMX Track」があります。
ベロドロームの南側には、白い壁の四角い建物が見えて来ます。これは「バスケットボール・アリーナ Basketball Arena」。バスケットだけでなくハンドボールも行われる予定です。数千人収容のスタンドまでありますが、なんとこの建物は仮設。大会後に壊される施設としては史上最大なのだとか。
このエリアには、お土産屋さんのエリア「ストリートマーケット Street Market」が設けられる予定です。
バスケットアリーナ

バスケットアリーナ

ストリートマーケット、は看板のみでした

ストリートマーケット、は看板のみでした

選手村も間近に見えます

選手村も間近に見えます

バスケットアリーナからロンドンウェイに行く途中

バスケットアリーナからロンドンウェイに行く途中

会場はまだまだ北へと広がります

イートン・マナーの施設

イートン・マナーの施設

「パークは歩ける広さ」と宣言したナビですが、実はさらに北の方へとパークは続きます。このエリアは「イートン・マナー Eton Manor」と呼ばれるエリアで、おもにパラリンピックの競技に使われる予定です。なお、団体バスで来る観戦客は、このイートン・マナー側にあるゲートから入場することになるかもしれません。

おっと、スタジアムを紹介せねば!

スタジアムに向かって5本の橋があるそうです

スタジアムに向かって5本の橋があるそうです

一通りパークの施設を紹介しましたが、忘れていました。開閉会式と陸上競技が行われる「オリンピック・スタジアム Olympic Stadium」にご案内しましょう。
約8万人が入場出来るこのスタジアム、環境にやさしい資材を使って建てられており、軽い鉄鋼や産業廃棄物などから作られた「低炭素コンクリート」が使われており、従来の素材を使って建てるよりCO2排出量が40%削減できたそうです。
ところで、気になる「聖火台」は、どこに作られているのかまったくわかりません。どこかに隠されているのでしょうか? ナビもスタンドに座って、陸上競技を観戦しながら、VIP席や記者席の様子も眺めたりしたのですが、改めて開幕が待ち遠しくなりました。開会式は7月27日の20:12に開始されます。

お土産や飲食物は?

お弁当を食べるスペースもありますが

お弁当を食べるスペースもありますが

予行演習のプレ大会では、仮設の売店で飲食物や五輪グッズが売られていました。本番までには、記念品を販売する「ロンドン2012メガストア」をはじめ、バスケット・アリーナ前の「ストリートマーケット」などが設けられるそうです。
スタジアム内にも売店のスペースがすでに設けられていましたから、軽食やビールなどが楽しめるはずです。五輪グッズは市内の公認ストアなど、様々な場所ですでに売られていますが、パーク内でしか買えないアイテムが出現することも予想されます。
スタジアムの売店

スタジアムの売店

限定グッズもあるようです

限定グッズもあるようです

売店にはお寿司も!

売店にはお寿司も!

現金かビザカードでしか払えません

現金かビザカードでしか払えません

パークから帰路につきます

パークから帰路につきます

ナビがパークを丸1日歩いた感想としては、それぞれの競技施設はユニークなデザインなのに、まるで威圧感ががありません。木目調のベロドロームにいたっては、これから使われるものなのに、すっかり周りの風景になじんでしまっていて、優しい雰囲気すら漂っているのはなぜなのでしょう?「人に優しい五輪」が主題だからなのでしょうか?
パークは五輪終了後に「本物の公園」として開放されることになっています。早くもその日が待ち遠しいと思ったナビでした。

スタンドに入る直前が興奮するかも…\n

スタンドに入る直前が興奮するかも…\n

散歩やお弁当を持って出かけたい場所になりそうです。五輪の観戦に行かれる方はもちろん、観光でロンドンを訪れる方もぜひ場内を歩いて欲しいなあ、とナビは思っています。
日本選手の活躍を祈りながら、以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-06-20

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