ケンブリッジからグランチェスターまでピクニック!

ケム川の昔の名前がそのまま地名になった村はケンブリッジご自慢の緑豊かなピクニックスポット。チャ-ルズ皇太子も訪れたティーガ-デンでお茶しましょう!

こんにちは!ロンドンナビです。7月になり、夜9時すぎまで明るいのもだいぶ慣れてきました。イギリスの夏は寒い、といいますが、最近は汗ばむような陽気の日もしばしば。そして、いよいよ子どもたちがおまちかねの夏休みが始まります。日射量が少ないといわれているイギリス。晴れの日が多い夏に、外へお出かけしてたっぷりと太陽の光をあびましょう!

イギリスはホリデ-シ-ズン

7月中旬から9月の始めまで、イギリスはホリデーシ-ズン!この機会を利用して海外旅行、というのが以前は人気でした。しかし長引く不況のため、家庭の経済 事情が悪くなり、海外旅行はおろか、近場の国内旅行すら自粛する家族が急増しているそう。今年は「超安近短ホリデー」が主流になりそうなイギリス。そこで スポットライトを浴びているのがピクニック。あまりお金をかけず、公園や芝生でバーベキュー、という人たちが多くなりそう、ということなのです。緑豊かなケンブリッジにも、ピクニックを楽しめる場所がたくさんあるんです。今回はケンブリッジのピクニックスポットの中から人気の場所をご紹介いたします!
日光浴は最高のごちそう!

日光浴は最高のごちそう!

パントでピクニックへ来る人も

パントでピクニックへ来る人も

のんびりとした風景

のんびりとした風景

もちろんこちらも!

もちろんこちらも!

チャールズ皇太子も訪れたティーガーデン

チャールズ皇太子も訪れたティーガーデン

グランチェスターの美しき貴公子

グランチェスターの美しき貴公子

グランチェスター村(Grantchester)

14世紀からある村の教会「ST ANDREW & ST MARY」

14世紀からある村の教会「ST ANDREW & ST MARY」

人通りもあまりありません

人通りもあまりありません

静かな村で避暑地気分
グランチェスターは、ケンブリッジより南、ケム川の上流にある美しい小さな村です。その昔、ケム川はグランタ(Granta)と呼ばれ、それがそのままこの村の地名になったそう。古くからケンブリッジ市民の憩いの場として親しまれているこの村はケンブリッジ中心部のような学生の喧騒はなく、落ち着いた雰囲気をもっています。そのためか、ケンブリッジ大学の教授や研究者たちが多く住んでいるそう。
教会の時計

教会の時計

観光客のお目当てはこのティーガーデン

観光客のお目当てはこのティーガーデン

小さい村だが有名なパブもいくつかある

小さい村だが有名なパブもいくつかある

グランチェスターまでの行き方

「フットパス(Footpath)」を利用
イギリスの道路でよく見かけるこの標識は、「フットパス(Footpath)」。遊歩道をあらわしています。グランチェスターまで続くフットパスの入口まで行くには、ドラマー・ストリートのバスターミナルからバス「Citi 18」に乗ります。降りる停留所は「Newnham  Grange  Road(ニューナム・グレンジ・ロード)」。以前もご紹介しましたが、車両内には停留所を教えてくれる電光掲示板もアナウンスもありません。降りたい停留所に着いたら教えてもらうよう、バスの運転手にお願いしましょう。バスを降りたら、フットパスの入口まで15分ほど歩きます。
バス「Citi 18」を利用
フットパスの距離は約1.5キロ。1時間ほどのけっこう長い道のりです。もちろん、村までバス「Citi 18」に乗って行ってOK。「Newnham Grange Road(ニューナム・グレンジ・ロード)」では下車せず、村のブロードウェイのバス停「Grantchester bus shelter(グランチェスター・バス・シェルター)」で降ります。所要時間はドラマー・ストリートのバスターミナルから30分ほど。帰りはコトン・ロードのバス停「Grantchester bus shelter(グランチェスター・バス・シェルター)からケンブリッジ行きのバスに乗ることができます。

広大な牧草地

けっこう木陰が多い遊歩道

けっこう木陰が多い遊歩道

牧草地はキングスカレッジの管理

牧草地はキングスカレッジの管理

Grantchester Meadows(グランチェスター・メドウ)
今日はナビ、フットパスを歩いていきます。この日、今夏初めての「熱中症注意報」が!日中の最高気温は33度まであがるとの予報。どこまでも続いているフットパスを前に「1時間も歩けるかな..」とちょっと心配になったナビ。ですが、歩きはじめると、遊歩道は木陰になっているところが多く、またケム川からの心地よい風も吹いて、あまり暑さを感じません。
左手に広がる緑豊かな草地は、「Grantchester Meadows(グランチェスター・メドウ)」。「Meadow(メドウ)」とは、「牧草地」のこと。この牧草地はキングスカレッジが管理しています。草を食んでいる牛たちは、近づいてもぜんぜん人間をこわがりません。

グランチェスターへいくまでの一番オススメの方法は川沿いを歩くこと。歩いてみて、その意味がわかりました。川沿いの牧草地は平地で、見渡すかぎりの方角すべてが素晴らしい眺め!グランチェスターまではパンテングをして来ることもできます。この日もパントの平底船がたくさん岸辺にありました。そんな風景を眺めながら歩いていくと、あっという間に遊歩道の終わりが見えてきました。
遊歩道が終わると、しばらく小道が続きます。大きな道路に出たら、左に曲がって「Mill way(ミル・ウェイ)」方向へ進むと、グランチェスター村です。
こんな若者も....

こんな若者も....

ピクニックを楽しむ人たち

ピクニックを楽しむ人たち

牛のフンに注意!

牛のフンに注意!

オーチャード・ティー・ガーデン(The Orchard)

学生たちの願いをかなえた心優しきオーナー
グランチェスターを有名にしたのは、このすばらしい自然だけではりません。チャールズ皇太子も訪れたという有名なティー・ガーデンがあります。その名は「オーチャード」(The Orchard)。長い散歩で疲れた足を休めるのにはもってこいのカフェなんです。このティー・ガーデンの歴史は古く、100年以上前の1897年だそうます。数人のケンブリッジ大学の学生が果実の花が満開この家を訪れ、「美しい庭でお茶を飲ませてほしい」、と頼んだのが始まりだそう。以来、口コミでうわさが広がり、学生たちの憩いの場となっていったということです。
外は強い陽射し

外は強い陽射し

店内にもテーブルがある

店内にもテーブルがある

王室御用達ジャムと絶品スコーン!
ナビもさっそくここで休憩することに。スコーン、ケーキ類等のアフタヌーンティーメニューを楽しみたい方はトレイをとり、自分で選びます。店内に入って、まず目にはいってくるのは山積みなっているジャム。よ~くみると.....なんとロイヤルワラント(王室御用達の証)が!ここではエリザベス女王御用達の証をうけているティプツリージャムを販売しています。かわいい小瓶にはいっていて、種類も豊富!しかも1つ60ペンスとお値段もリーズナブル。ナビはスコーンにぬるため以外に、自分用に購入!!このジャムはケンブリッジ市内スーパーでも手軽に手にはいります。(ただし、スーパで販売されているのは大瓶の場合が多いです。)
食事以外はセルフサービス

食事以外はセルフサービス

まずお皿とトレーを。

まずお皿とトレーを。

ちっちゃくて、かわいいジャム達

ちっちゃくて、かわいいジャム達

手前がプレーンスコーン

手前がプレーンスコーン

外はサクッ、中はしっとりスコーン
スコーンの種類は2種類。プレーンとレーズン入りのフルーツスコーンがあります。ここのスコーンは本当においしい!ナビが今まで食べた中で一番おいしかったかも。飲み物はホットティー、コーヒー、冷たいジュース類など。アイスコーヒーやアイスティーはありませんでした。もちろんボリュームたっぷりの食事もいただけるので、ここでランチもステキです。
ナビが訪れた日は月曜日にもかかわらず、たくさんの人がこのティーガーデンを訪れていました。涼しい木陰の席は満席。紫外線が日本より強いヨーロッパ。外はイヤ....という方は、お店の中にも席があるので、そちらをご利用くださいね!
フード類はボードでチェック

フード類はボードでチェック

冷たい飲み物類は瓶で販売

冷たい飲み物類は瓶で販売

「オーチャード」の歴史もぜひ一読を!

「オーチャード」の歴史もぜひ一読を!

美しきグランチェスターの詩人ルパート・ブルック(Rupert Brooke)

Rupert Brooke(ルパート・ブルック 1887-1915)
もう1つ、人々をグランチェスターに惹きつけてやまない理由があります。「グランチェスターと恋におちた」といわれたほどこの村をこよなく愛し、数々の美しい詩を残した詩人ルパート・ブルック。当時「オーチャード」は下宿を営んでいて、彼は下宿人でした。彼はこの庭でいつもお茶をしていたそう。ケンブリッジ大学の学生だった彼のまわりには、著名人をふくめ、たくさんの人がいつも集っていたといいます。彼は第1次世界大戦のため27年という短い生涯を閉じますが、戦地でグランチェスターを想い、多くの詩を残しました。もっともよくしられている詩の一部をご紹介しましょう。
彼は母国へ帰ることなく、ギリシャに眠っている

彼は母国へ帰ることなく、ギリシャに眠っている

The Soldier / Rupert Brooke 

(「兵士」より一部抜粋)

If I should die, think only this of me
That theres some corner of a foreign field
That is foever England.

もし私が死んだら、思って欲しいことはただひとつ
異国の草原のどこか片隅に
永遠のイギリスが眠っているということだけ
愛する場所、大切な人たちを想いながら異国の地でこの世を去った彼の詩には、平和への祈りがこめられていたにちがいありません。その美貌ゆえ、「young apolo(若きアポロ)」ともいわれたルパート・ブルック。彼らしい小さなミュージアムが「オーチャード」ティー・ガーデンの横にあります。オーチャードを訪れた際は、ぜひのぞいてみてくださいね。
新聞や雑誌でルパートの生涯をたどる

新聞や雑誌でルパートの生涯をたどる

男女ともに英国では人気がある

男女ともに英国では人気がある

お土産もあります

お土産もあります

村の教会「ST ANDREW & ST MARY」

村の教会「ST ANDREW & ST MARY」

いかがでしたか?長引く不況が家計に打撃を与えているのはイギリスも同じ。気分も沈みがちになりますが、そんなときこそ緑豊かなティーガーデンでお茶をいただいてリラックスしたり、広い草原で楽しく「超安近短」に遊んでみませんか?!以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-07-25

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