ロンドンで旅行者が遭遇しそうなトラブルは? 安全対策をケース別に紹介します。
おまわりさんは街の随所で見かけます
こんにちは、ロンドンナビです。
世界中のさまざまな国の人々が集まるイギリス。さぞかし治安が悪いのかな、と思いきや、実は安全面には大きな心配はありません。しかし、現地事情を知らない旅行者を相手にしたトラブルの事例は後を絶ちません。また、ロンドン五輪を控え、テロへの警戒も必要でしょう。
今回ナビでは、実際にロンドンの街で起こりうるトラブルをもとに被害パターンをまとめてみました。しっかり読んで、楽しい旅を!
ケース1:白タク(不法営業のタクシー)
これは正規のタクシー
ロンドンには、街の名物ともいえる「ブラックキャブ」と呼ばれるタクシーがたくさん走っています。しかし、天気や時間帯によって、タクシーがまるで捕まらないこともしばしば。そんな時、どこからともなく不法営業のタクシー(いわゆる「白タク」)が現れます。
ロンドン警察では「不法営業車に乗るのは、知らない人の車に乗るのと同じこと」と注意を促しています。
注意したいエリアは、バーや劇場が集まるソーホー辺り。ミュージカルなどの舞台が終わる午後10時頃には、タクシーが捕まりにくくなることから、白タクがはびこるようです。「ホテルに帰るのが遅くなるから」と、慌ててこれらの車を利用しないよう強くお勧めします。白タクに乗ってしまい、訳の分からないところに連れて行かれたとか、運転手が強盗に化けたといったような被害はたくさんあります。
ロンドンの場合、深夜バスが夜中じゅう走っていますし、地下鉄も午前0時過ぎまで運行しています。夜遅くても、公共交通を使った方がかえって安全かもしれません。
ちなみに、ロンドンには「ミニキャブ」と呼ばれる予約制のハイヤーが走っています。認可を受けたミニキャブにはかならず許可証が貼ってありますから、それを確認してから乗ると良いでしょう。
ケース2:クレジットカードとATM
カードは利用時に顧客がスロットに差し込みます
海外旅行客がクレジットカードのスキミングに遭うケースが依然減らないようです。英国は現金を全く持たなくても暮らせる「カード社会」です。そのため、お店の人が顧客のカードを全く触らなくても決済が出来るようにシステムが備わっています。
一般的にカードを利用する際は、カードの精算機に自分のクレジットカードを差し込み、暗証番号を入力したらそれで取引完了となります。逆に言うと、お店の人がカードを預かるようなケースがあったら、それは不正行為を企てている可能性も考えられます。お店で「ちょっとカードを預からせて」といったようなことを言われたら、「買い物を取りやめる」くらいの決断も必要です。(ICチップが付いていない旧型のカードでの決済を断るお店も増えています)
暗証番号入力の案内画面
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暗証入力時には、テンキーを手で隠しましょう
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なお、現金自動支払機(ATM)でのトラブルは比較的少ないようですが、それでも暗証番号を打ち込む際は、周りに見えないような対策を考えるべきでしょう。
ケース3:スリや置き引き
不特定多数が集まるフードコートは要注意
ロンドンに限らず、スリや置き引きはどこでも起こりえます。注意したいスポットはバッキンガム宮殿の衛兵交替の時。世界中の観光客が殺到する場所ですから、プロのスリたちもわざわざその時間に合わせて宮殿前へとやってきます。あまりにも被害が多いため、衛兵交替の前になると群衆整理のおまわりさんが、「スリには注意を、リュックサックは前にかけて」といったような注意を促しています。
そのほか、地下鉄の改札口やエスカレータなど、人が混み合う場所では注意が必要です。
置き引きは、セルフサービス制のカフェテリアやフードコートでよく起こります。ちょっと席を立った隙に貴重品を取られる事例もしばしば聞きます。
有名観光地も要注意!(ピカデリー・サーカスにて)
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黒い制服のおまわりさんもいます
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ケース4:携帯電話の持ち逃げ
「ケイタイがターゲットとならぬよう!」と呼びかけるポスター
「5人に4人がスマートフォンを利用」といわれるロンドンでは携帯電話を狙った犯罪が急速に増えています。細い通りで携帯電話を使って話しをしていたら、いきなり端末をひったくられるというケースがよくあります。
おまわりさんならケイタイの持ち逃げはしないでしょう
さらに、悔やんでも悔やみきれない被害もあります。スマートフォンのデジカメ機能を使って写真を撮っている時、周りの人に「シャッター押しましょうか?」と言われたので、ふと端末を渡したら、そのまま盗られてしまった、というケース。そういう「親切心」を見せる困った悪者もいますから注意が必要です。
ケース5:暗い夜道での強盗
貴重品の管理に注意を促しています
件数はまれですが、強盗に襲われて所持品をやられるというケースも聞きます。暗い夜道(とくにガード下やひと気のないビル街など)で、2—3人のグループで「携帯や現金を出せ」とナイフをかざしながら襲うといったやり口。変に抵抗するとかえってケガをするリスクもあります。
もしも襲われてしまったら、すみやかに警察に通報することをお勧めします。
地下鉄駅での非常通報用設備
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盗難などの被害届は警察署へ
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数は少ないですが、交番もあります
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警察署はこのマークが目印です
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テロや暴動への対策
不審な荷物に注意を促しています
英国は依然、中東やアフガニスタンなどの平和維持に関与しており、外国へ軍隊を送っています。そのため、反対派が過激なテロ行為に出る可能性もゼロとはいえません。ロンドン五輪を控え、テロ対策には充分すぎるほどの対応策が練られていますが、暴動を含む不穏な事態が起こった場合には、必ず警察官などの指示を守るようにしましょう。非常時には、警官隊はデモ参加者らに対し容赦ない制裁を与えますから、興味本位に近寄ったりせず、できるだけ安全な場所に退避するようこころがけましょう。
もしも被害に遭ってしまったら
パトカーに声をかけるという手もあります
残念ながら被害に遭ってしまった場合の通報先は次の通りです。たとえ身振り手振りでも良いのでトラブルに巻き込まれたことを周りの人々に伝えるようにしましょう。繁華街では頻繁に警官が巡回していますし、心ある通行人が警察に電話をしてくれるかもしれません。
<警察関連>
・ 緊急電話(無料)999
・ 非緊急電話(有料)101
日本大使館は地下鉄グリーンパーク駅近くにあります
<日本大使館>
・ 大規模災害、テロ事件等の緊急事態が発生した場合
大使館の代表電話 020-7465-6500
・ 人身事故、犯罪等に巻き込まれた場合
大使館領事班 020-7465-6565に連絡する。
勤務時間外や休館日の場合には、0808-238-9830 へ
公衆電話からは、0808-234-0146へ
群衆整理には騎馬警官も登場します
これらのトラブルは、ケースによっては自分の努力で防げるものもあります。危なそうな雰囲気を感じたら、その場を避ける、しばらく動かないで待つといった判断も必要でしょう。
安全面に気をつけ過ぎると旅行が楽しくなくなります。でも、必要最小限に気をしっかりもって旅行したいものですね。
以上、ロンドンナビでした。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-02-16